トランプの北朝鮮攻撃プランは「安倍政権崩壊」を前提としている(前編)=高島康司

アメリカの「対北朝鮮先制攻撃」は何をターゲットにするのか?

ところで、「作戦計画5015」の具体的な内容と思われるものは、計画が正式に認可された翌年の2016年5月、CIA系シンクタンク『ストラトフォー』のレポートを通して明かになっている。これは第382回のメルマガでも紹介しだが、再度一部を紹介しよう。

ちなみにこのストラトフォーのレポートでは、ポイントはキム・ジョンウンの排除ではなく、核関連施設への先制攻撃にあるとしている。

北朝鮮攻撃の目的と目標

この攻撃が実施されるのかどうか、また実施されるとしたらいつ行われるのかはいまの段階では言うことはできない。しかし、この攻撃目的には次の2つの選択肢がある。

  • キム・ジョンウン体制の壊滅
  • 核開発施設とミサイル発射施設の壊滅

目標を(1)とした場合、これはキム・ジョンウン体制との本格的な全面戦争となる。北朝鮮が北米西海岸に核ミサイルを打ち込む可能性もあり、相当なリスクを覚悟しなければならない。だから、この目標は現実的とはいえない。

したがって、攻撃の目的は必然的に(2)に限定される。キム・ジョンウン体制の壊滅ではなく、攻撃目標を核開発とミサイル発射施設の2つの壊滅に絞る。壊滅されるべき攻撃目標には次の施設が含まれる。

<主要な核開発施設>

  • ヨンビョン核施設
  • ピョンサン・ウラン精錬施設
  • ピョンソン研究開発施設

<補助的な核施設>

  • パクチョン・ウラン濃縮施設
  • チェオンマサン・ウラン濃縮施設
  • ヨンゴジョリ・ウラン濃縮施設
  • スンチョンとパクチョン・ウラン鉱山
  • タエチョン再処理プラント
  • プンギェリ爆発実験場

<核貯蔵施設>

現在北朝鮮は、10から25発程度の核弾頭を保有していると思われるが、その正確な貯蔵場所ははっきりとは分からない。

<陸上のミサイル発射機>

北朝鮮はムスダンリとトンチャンリに固定されたミサイル発射台を持っている。その他にそれぞれのミサイルのタイプに応じた発射機を持つ。

  • トスカとスカッドミサイル 100機前後
  • ノドンミサイル 50機前後
  • ムスダンを含む中距離ミサイル 50機

さらに北朝鮮は、KN-08/KN-14と呼ばれる移動式ミサイル発射機を開発している。

<核爆弾搭載可能な航空機>

北朝鮮空軍は800機の航空機を保有しているとされるが、それらは時代遅れの古い航空機である。しかし、800機のH-5爆撃機を保有しており、これは核爆弾を搭載できるように改造することができる。

<核ミサイル発射可能な潜水艦>

北朝鮮は、シンポクラスのディーゼルエンジン潜水艦を保有し、それから発射可能な核ミサイル、KN-11 SLBMを開発している。しかしこれまでの発射実験ではターゲットに到達したことがない。

<通常ではない手段>

さらに北朝鮮は、民間機や民間船舶を使った特攻作戦として核爆弾の攻撃を実施することができる。おそらくすでに準備していると思われるが、方法は予想ができない。

Next: アメリカの先制攻撃は成功するか?中国は「了解済み」の可能性も

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