日銀片岡審議委員の何がヤバイのか? 「あっ…(察し)」な主張まとめ=高梨彰

日銀は10月末の金融政策決定会合で現行政策の据え置きを決定しましたが、それにただ1人反対したのが新審議委員の片岡剛士氏。その主張は浮世離れしています。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)

※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2017年10月31日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

この人はもしや…新審議委員・片岡氏の「浮世離れ」した主張とは

現行政策の据え置きに反対

新たな人がやって来ると、当初は真意がわからず周りが「?」となることがあるかと思います。日銀の新たな審議委員、片岡委員にも「?」が付くかもしれません。

日銀は10月30~31日開催の金融政策決定会合にて、現行政策の据え置きを決定しました。

片岡委員は「もっと金融緩和、金利はより低く、株や債券も買いましょう」といった意見の持ち主です。今回の会合でも、政策据え置きに反対しています。具体的には超長期国債利回りをもっと低くしましょう、ということで「15年物国債金利が0.2%未満で推移するよう、長期国債の買入れを行うことが適当」との意見を添えて反対しています。

「15年金利0.2%未満で」との主張に疑問符

反対して金利低下を主張するのは自由です。しかし、「15年物」は引っ掛かります。

国債市場では、どの国でも新しく発行された国債の取引が最も活発です。現在日本では長期・超長期国債として、10年・20年・30年・40年物の国債が発行されています。日銀の保有残高が増えたおかげで市場での取引は細っていますが、それでも発行されたばかりの10年・20年・30年国債は、日銀の「買い占め」が進んでいないため、ある程度の出来高があります。

一方、「15年物国債」の取引はそれほどないはずです。残存15年物国債とは、かつて20年とか30年国債として発行されたものが、それぞれ5年・15年経過して「15年物」となった国債です。日銀が買おうと買うまいと、一般的に取引は限定的です。

その15年物国債に0.2%という具体的な目標を設定し、かつ日銀が国債を買い入れることにより市場金利をコントロールすると言われても、「は?」です。

机上の空論

確かに理屈の上では15年物国債金利に目標を定め、調節することができないでもありません。15年は「10年と20年の間」です。例えば、10年が0.1%で20年が0.3%であれば、特殊事情が無い限り15年国債金利は0.1%から0.3%の間に収まります。

ただし、そうであるならば「20年物国債金利、0.3%」の方が国債市場参加者にもわかりやすいはずです。何と申しますか、「15年物」と言われると「この人はもしかして…」と勘繰る余地が出てきてしまいます。

物価上昇率にせよ、国債保有残高の推移にせよ、日銀が示す値はどんどん曖昧になってきています。今回の「15年物」にしても、市場とは別次元での机上の話という印象があります。浮世離れも度を超すとよろしくないと思うのですが…。

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今回のまとめ

  • 日銀、金融政策据え置き
  • 新たな審議委員の意見、市場慣行からは「?」な話
  • 日本の中央銀行は何処に行ってしまうのか

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高梨彰『しん・古今東西』』(2017年10月31日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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