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東芝に「審判の日」近づく。忍び寄る海外訴訟リスク、経営に致命傷も=真殿達

一連の粉飾決算問題により赤字に転落した東芝<6502>。上場廃止懸念の後退により株価は反発し、市場からは「あく抜け」との声も聞かれますが、本当にこれで一段落と言えるのでしょうか。

国際協力銀行プロジェクトファイナンス部長、米国ベクテル社、ディロン・リードのコンサルタント、東京電力顧問、麗澤大学教授などを歴任し海外事情に詳しい真殿達氏は、「株主や買収した企業との絡みで大きな訴訟になる可能性が高い」と見ています。

日本的経営と東芝事件――国際投資環境視点のから

甘くない米国の司法

東芝の粉飾決算問題は今後どのような展開になるのか。

巨大名門企業の価値が毀損することへの抵抗が強い日本と異なり、事柄の正否で企業にけじめをつけさせないではおかない米国の司法文化の違いを思うと関係者は安穏とはしておれない。

株主や買収した企業との絡みで大きな訴訟になる可能性が高い。

トップが会見で責任を認めなかったことに批判が集まっていたが、海の向こうからの訴訟を予期していれば何事にも言葉を選ぶ必要があったのかもしれない。

東芝<6502> 日足(SBI証券提供)

東芝<6502> 日足(SBI証券提供)

企業経営で問われる「日本とドイツの違い」

フォルクスワーゲン(VW)事件に比べれば罪は軽いと考えるのは浅知恵で、ウェスティングハウスを傘下に置く企業だけに訴訟の進み方次第では、致命的な打撃を被ることになりかねない。

VWに対するドイツ政府の対応と東芝に対する日本政府の対応の差が米国世論にどう映るかによっても、米国内の動きが変わる可能性は否めない。

名門企業であれば多少の問題はたいしたお咎めもなくやり過ごす傾向のある日本では、パブリックリレーションズや訴訟問題に十分なリソースを割かないで済んだ。

このあたりは、付け焼刃では到底対応できない。ユルフンな日本の大企業の国際性が問われることになる。

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