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ビギナーお断り?郵政グループ3社への投資が「上級者向け」である理由=武田甲州

郵政グループ3社はひさびさの超大型IPOとあって、証券・金融機関が投資家への売り込みに奔走。投資説明会には大勢の投資初心者も参加しました。ですがこの郵政3社には、必ずしもビギナー向けとは言えない不安材料が。3社それぞれが抱える問題点を証券アナリストの武田甲州氏が解説します。

魅力は配当利回りのみ?金融機関だけが熱くなる郵政3社上場

成長性に疑問符、JTの二の舞になってしまうリスクも

10月9日から日本郵政グループ3社の株式売り出しが始まりました。証券会社だけでなく銀行までも郵政3社の売り出しを勧誘するなど、販売側の金融機関は熱くなってきているようです。

合同の説明会に多数の投資家が参加しているということですが、そのなかにまったくの投資初心者も多く含まれているようです。逆に投資経験の長い投資家の関心はどうなのでしょう?

投資妙味ということを考えた場合、やはり最も重視されるのは「成長性」だと思いますが、郵政3社には果たして成長性があるのか疑問です。民営化企業の株式売り出しではNTTが華々しいスタートでしたが、次のJT(日本たばこ)は厳しいスタートでした。投資家の反応も今一つでした。

ここが危険!郵政3社それぞれが抱える問題点を検証する

日本郵政本体の収益構造は、本業の郵便事業は赤字でゆうちょ銀行、かんぽ生命からの手数料に依存という状況。郵便事業は当面黒字化のメドはたっていません

ゆうちょ銀行は200兆円の総資産の半分が国債で残りは外債、外国株、日本株など有価証券などへの投資が大部分です。一般の金融機関とは異なり融資残高はゼロに近い状態。金利上昇時には収益が極度に悪化する可能性があります。

かんぽ生命についても、資産は有価証券が大部分で金利上昇に極度に弱い運用となっています。

しかも郵政3社は利益相反の問題を抱え込んでいます。日本郵政本体の収益を増やすにはゆうちょ銀行とかんぽ生命からの手数料引き上げが一番の方法ですが、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の収益を増やす一番の方法は手数料の引き下げです。

そしてこの3社の一番の問題は、いまのところ配当利回りしか投資家に訴求する魅力がないということです。収益構造に問題を抱えているのに配当しか投資魅力がない株式は、既存の投資家からみれば本当に投資に値するのか疑問に思うしかありません。

郵政3社は上場当初こそ関心を集めると思います。ある程度の株価上昇もあるとは思いますが、それが持続する実力を備えているかというと疑問です。要するに、販売側の金融機関が思っているほどには、本当の意味で投資家は熱くなっていないのではないか、ということです。

【関連】「日本郵政の、日本郵政による、日本郵政のための官製相場」が始まる=近藤駿介

週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』(2015年10月11日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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証券アナリスト武田甲州が、経済やマーケットの先読み・裏読み情報を毎週月曜日に発行。2008年3月のセミナーでは米国で最大300兆円の公的資金投入を予想。2008年9月末時点で米国のゼロ金利、量的緩和政策実施を予測するなど大胆な未来予測情報もあります。

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