しまむらは、コロナ禍でも売上微増・営業利益大幅増を成し遂げました。いったいどんな対策を行ったのか。衣料だけではない、しまむらの強さの秘密を探ります。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年1月23日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
「しまむら」ってどんな会社?
私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間がない」というお声を多数いただいています。
この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。
——(Asako)皆さん、こんにちは。今日は、しまむらの2020年度第3四半期の決算について、シバタさんに解説していただきたいと思います。シバタさん、よろしくお願いします。
(シバタナオキ)ずいぶん渋い会社を選びましたね。渋いと言ったら失礼かもしれませんが…。
——(笑)そうですね。思ったよりも規模が大きい会社でびっくりしたので取り上げてみました!
——まず、しまむらについて、左下に記載があるように、ファッションセンターしまむらをはじめとして、アベイル、バースデイ、シャンブルといった衣料品ブランドを複数展開している会社になっています。
——中核事業のしまむらは、20代〜50代の主婦とその家族をターゲットとした衣料品を展開していて、特徴としては郊外を中心に出店していたり、商品管理からシステム開発、物流等、全て自前で行っていて業務の単純化を徹底しているところや、競合のユニクロは自社開発商品中心であるのに対し、しまむらは現状メーカーからの買取の比率が高いという特徴があります。
——ウェブサイトを見てみますと、このような感じになっていて、けっこう低価格で普段使いするには重宝しそうな印象です。
中途半端な日付で決算期が始まる理由は?他の企業にもあるのか?
——数字の話に入る前に、決算の期間が気になったので注目してみました。決算の期間、通常は1日始まりの企業が多いと思いますが、しまむらは2月21日始まりと中途半端な日付を始まりにしています。この中途半端な日付には意味がありますか。また、他の企業もこういった中途半端な日付にすることはありますか。
おっしゃるように普通は1日始まりで、特に決算期が3月か6月か9月か12月というのが普通ですが、たまにそうでない会社があります。その中でもしまむらのように中途半端な日、月の始まりでない日に決算期が始まる会社がたまにあります。
なぜかは私も分かりませんが、おそらく昔は小売をやっている時に決算を締めるのに時間がかかっていたと思います。レジを締めて現金を数えてという話がありますよね。そういう時代の名残りではないでしょうか。皆さんがよく知っている会社では、実はAppleも決算期が1日ではありません。
——知りませんでした。
そういう会社がたまにあるということだけ覚えておいていただければと思います。
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