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この春、日本に必要なのはワクチンよりも「給料アップ」だ!賃上げ必須の2大理由、迫るタイムリミット=斎藤満

米国のコロナ支援は「個人向け」が中核

これと対照的なのが米国です。

米国ではコロナ支援策の中核が個人向け支援です。昨年3月に最初にとられた支援策でも、1人当たり1,200ドル(12万円強)の小切手送付、失業保険給付金を1週当たり600ドルも上乗せし、給付期間も延長するなど、失業者や一般消費者に手厚い支援がなされました。

そして昨年暮れに議会がまとめた追加支援策では1人当たり600ドルを給付し、今年になってバイデン政権が提示した追加支援策ではさらに1人当たり1400ドルを追加支給し、失業保険給付金の上乗せ、延長などで、家計向けに1兆ドル(104兆円)も用意しました。

こうした個人向け支援を強化したことで、米国では個人消費中心の景気回復が進み、その恩恵を企業も受けるようになっています。

つまり、米国では家計、個人救済に重点が置かれているのに対し、日本のコロナ支援策は企業救済型に集中しています。そのために、個人消費は弱いまま、景気の停滞が続いています。

政策が企業支援に偏っている分、今度は企業がベースアップで労働者に所得の還元をする必要があります。

企業の人件費抑制の弊害

そもそも、安倍政権になって以降、8年間にわたる企業重視の政策を得て、企業は人件費の抑制、変動費化を進め、最高益を謳歌し、株高を実現しました。

その一方で、労働者は企業の人件費抑制の中で賃金が増えず、非正規雇用が4割近くを占めるに至り、雇用保証も脅かされる結果となりました。

国税庁の「民間給与実態調査」によると、企業が最高益を挙げた2019年の民間給与は、年間436万円で、前年より1%減少しています。このうち、非正規雇用の年収は175万円で、前年から4万4千円、率にして2.5%減少しました。一方、正規雇用は503万円で、こちらも前年から1000円減少しています。物価の0.6%上昇を考えれば正規労働者も実質年収はマイナスになっています。

企業が最高益を挙げた年でも、賃金は減っています。

この企業利益と労働者の賃金とのアンバランス、つまり労働分配率の凋落傾向が日本の個人消費を必要以上に圧迫し、消費の弱さが原因となって景気が悪化する事態となりました。2019年は、企業の最高益の中で景気はすでに後退局面に入っていました。

企業の人件費抑制が行き過ぎて、景気の足をむしろ引っ張ってしまった良い例となっています。

Next: 企業を守って個人を切り捨てた弊害。今こそ基本給ベースアップが必須

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