特に将来性のある企業は?
グリコに関しては少し高いですし業績を見ましても、いま手間取っている部分もありますので、あえてここに投資することはないのかなという風に思いますけれども、その他の会社に関してはやはり比較的堅調な推移を辿っています。
カルビーは、実は東日本大震災の時に上場したのですけれども、この会社は海外戦略が結構上手くいっていて、それで業績を伸ばしてきたというところもあって、一時期はPER30倍ぐらいで評価されていました。それが18倍ですから、本当に今後も海外でも伸ばし続けられるとしたら、かなり買い頃なのではないかという気がします。
明治も高い時はPER30倍ぐらいあったのですが、今はどの会社も過去5年でPERに関して最も低いレベルの水準になっています。
したがって確実に伸びるとまでは言いませんが、事業の安定性やこれからの値上げなどによる成長余地というのを考えたら、悪い状況ではないのではないかと思います。
最も大切なのは、こうやって数字だけを見てざっくり買うということではなくて、その会社が今後どういう戦略を取ろうとしているのか、どういう強みがあるのかというのを分析して、そしてさらには自分が好きなお菓子を作っていたらなお良いかも知れません。
そういった中で自分が「これだ!」と思える企業が出てきたら、最終的にはもう一度株価水準を見極めて、それで十分に安いと思えるのだったら、いま買っておくというのはありだという風に考えます。
長期投資で大切なのは、こうやって事業を分析することです。そして株価が高いか安いかを判断して、しっかりと安い時に買う。一度買ったら、あとはじっくりと見守る。この3つが大切です。
ぜひこのやり方を磨いて、長期投資に励んでみてください。
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『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2021年7月7日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。