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育休を取らない男は1億円の損。改正育休法で会社員に明暗、育児専念に6つの効用=午堂登紀雄

男性が育児に関わるメリット

私は男性が育児に関わることにはポジティブ派ですが、実際に経験してみると、次のような効能を実感しています。

1. 子をよく観察する習慣ができる
2. 親に感謝できる
3. 家事の効率が上がる
4. お金儲けのネタになる
5. 他人の子どもに寛容になる
6. 夫婦のキャリアを中断しない

<1. 子をよく観察する習慣ができる>

(1)の「子をよく観察する習慣ができる」は、幼児期からずっと一緒にいれば「なぜ泣き止まないのか?」「なぜ不機嫌なのか?」を観察し想像しようとしますし、子の変化に敏感になります。すると、「こんなことができるようになった」という成長にも気が付き、喜びや充足感が増します。これは幸福の要素が1つ増えたことを意味し、とても大切なことです。この喜びは他に代えがたいものがあります。

反面、これは憶測ですが、逆に子育てに関わって来なかった人は子の変化に鈍感で、子が学校でいじめに遭っていても気が付かないとか、不登校になっても無関心で放置する傾向があるのではないか、と思っています。

<2. 親に感謝できる>

(2)の「親に感謝できる」は、自分が子育てをしていると、忘れていたはずの自分の幼少期の記憶がフラッシュバックし、「そういえば自分の親はこんなことをしてくれてたなあ」と感謝できるようになります。

たとえば私の父親は、クリスマスには裏山に行ってもみの木を切って来て部屋の中に置き、飾り付けを一緒にしたのを思い出しました。これは結構面倒なことです。母親は私がやりたいことは何でもさせてくれ、危険なことでも「ダメ」とは言わず見守ってくれた。これはなかなか忍耐力が必要です。そんなかすかな記憶が蘇り、自分がそこまでできているだろうかとか、自分の親の偉大さを実感します。自分が子育てをするからこそ、無償の愛情を注いで育ててくれた親への感謝の気持ちが大きくなります。

<3. 家事の効率が上がる>

(3)の「家事の効率が上がる」は、時間がない中で両立させようとすると、優先順位をつけ、省略したりスキップしたりする判断を求められます。

後述しますが、たとえば「この場面では家政婦やベビーシッターにお願いしよう」などと、限りある自分たちのリソースをどこに配分するのが最も効率が良いかを考えるようになります。これは家事も育児も自らやるからこその判断で、育児に参加しない人はこうしたことは無頓着でしょう。

こうした効率性への配慮、そしてリソースの適正分配は仕事でも求められることですから、「家事育児ができる人は仕事もできる」と言えなくもないような気がします。実際私の周りの若い起業家のほとんどは家事育児にも積極的に関わっています。

<4. お金儲けのネタになる>

(4)の「お金儲けのネタになる」は、たとえば女性芸能人に見られるように、タレントとしての人気がなくなってきても、子どもができたら「ママタレ」として復活できるようなものです。
これは芸能人特有というわけでもなく、「夫視点での子育てネタ」を発信してお金を稼いでいるブロガーやユーチューバーもいます。起業家や会社経営者でも、「男性が子育てしている」という情報を発信することで、企業イメージのアップや、結果として優秀な人材が応募してくる可能性を上げていることに一役買っています。

私自身も、子育てをしてきたからこそ子育て関連の書籍やコラムを書くことができています。まさに「子をダシにしてお金を稼ぐ」というわけですね(笑)。

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