コロナ後もオンラインツアーはフロントエンド商品になりうる
コロナによって需要が吹き飛んでしまった業界は、「BEACH」と呼ばれています。
B:ブッキングサイト(宿泊予約サイト)
E:エンターテイメント
A:エアライン
C:クルーズ、カジノ
H:ホテル
以前に当メルマガのVol.194で「JTBやスカイマークエアラインなどが減資を行い、税区分上は中小企業になった」というニュースについて取り上げました。旅行業界は、特に経営が厳しくなっている業界の1つです。
おそらく、コロナが明けた後も、オンラインツアーは残るでしょう。
これを聞いて、「お土産まで送ってくるオンラインツアーが残るとなると、リアル観光は廃れてしまうのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、私はそうはならないと思っています。
なぜなら、人はより本物を求めていくからです。オンラインツアーが残るのは、絵画などを観に行くのと同じ理屈です。
たとえば、モナリザの絵を知らない人はいないでしょう。学校の美術の授業などを通じて、小さな頃から知っているモナリザを観るために、毎年、世界中から観光客がルーブル美術館を訪れているのは何のためでしょうか。
実は、私も以前フランスに観光に行った際に、モナリザの絵を観に美術館まで足を運んだことがあります。
実物のモナリザは予想以上に小さく、しかもフラッシュや盗難防止のために、分厚いカバーで覆われています。おまけに、大勢の人が絵の周りに群がっているので、「遠くてあまりよく見えなかった」というのが正直な感想です。
純粋に絵画を楽しもうと思ったら、テレビや画集などを観た方が、よほど綺麗な画像を楽しむことができます。最高の状態で保存された画像を観るほうが、肉眼で直接、絵を観るよりも良い場合が多いのです。
それでも現地までわざわざ足を運ぶのは、リアリティと臨場感を味わうため。同じように、ミュージシャンのライブで、観客が「これまでに一番聴いたであろう楽曲がもっとも盛り上がる」のも、まさにこの原理です。