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揺らぐ資本主義。「パナマ文書」で流出した大物政治家の実名リスト=高野孟

「1%ワールド」への反感

この一件が尋常なことでは済まないだろうと思わせる第3の要因は、米大統領選でのトランプ&サンダース現象をはじめ世界中で新しい格差と貧困への怒りが広がっている中で勃発したというタイミングの悪さである

上掲「タイム」誌論説の著者ラナ・フォルーハーは、この問題が米大統領選の焦点と直結していると感じている。

有権者は感覚レベルで、グローバル資本主義のシステムは「99%の人々」ではなく主に「1%の人々」の役に立っていただけだと分かっている。それがサンダーズとトランプが健闘を続けてきた大きな理由で、なぜなら彼ら2人は、別々の方法ではあるけれども、その真相をさらけ出しているからである。

パナマ文書は、グローバル化が「1%の人々」(それが個人であれ企業であれ)の資本や資産がどこへでも自由に移動出来るようにしているだけで、「99%の人々」はそんなことは出来ない。その結末は、グローバルな脱税の横行と雇用の海外流出であり、エリートは国民国家とそこで暮らす納税者が抱える様々な問題を3万5,000フィートの上空から見下しながら空を飛ぶ。

どうすればいいのだろうか。私が思うに、市場システムがいかに役に立つのか立たないのかを再評価するという根本まで立ち返らざるを得ない。自由貿易についての議論、脱税に対するグローバルなキャンペーン、金融資本の自由な移動に対する厳しい監視、等々。

行動経済学者のピ-ター・アトウォーターは言う。「金融・企業・政治のエリートの刹那性に有権者はますます怒っている。1%の人々はどこへでも移動することが出来て、その移動から大きな利益が生まれる。しかし99%の人々にそれは出来ない。もっと悪いことに、99%の人々はさびれたデトロイトの空きビルや、ウェスト・ヴァージニアの化学プラントの有毒廃棄物や、プエルトリコの到底持続不能な税負担義務といった廃墟の中に取り残されているのだ」と。

こうしたことを解決するには「成長」とは何かを問わなければならないが、それは米国はじめ豊かな国々にとってのみの問題なのではない。最近の研究では、モサックのような金融操作によって途上国経済は04~13年に7兆8,000億ドルもの損失を被っている。さらに、不法な金融取引は年率6.5%、世界GDPの2倍の勢いで伸びている……。

Next: 儲けを確保するために、1%の富裕層は何をしたか

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