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パウエルFRB議長は「テーパリングの実施時期」を声明文で明示している。豪中銀と裏で連携?=角野實

物価上昇2%が9月まで続けばテーパリング実施へ

だったら、現在の物価を見ればいいのです。

上記はFRBが物価の政策指針となる「PCEインデックス」というものであり、消費者物価指数とは若干、統計方法が異なります。ただ、それほど、消費者物価指数と数字の違いはありません。

FRBの物価上昇2%は、このPCEでは3月から2%を超えています。つまり、アメリカ国内で物価上昇が2%を超えたのは3月からで、最新の5月では、前年比で3.6と2%を大きく超えています。

つまりFRBは、2%を大きく超えているのがたんなる5月の1か月間ではなく、この状態が3月から半年間、9月まで続いたときにはテーパリングを行いますよ、と言っているのです。

ただ、物価というのは通貨安に遅れて6か月後にきますので、今は7月ですから、1月のドル安がこれからの指標に影響をしてきます。3月は大幅なドル高なので、9月に2%を超えない可能性がある、ということです。しかし、それはデータを見なければわからないよ、言っているのです。

ただし、この7月・8月に大幅に物価が上昇するのであれば、テーパリングを行うともとれる声明文になるのです。

米と豪は裏で通じているのか?国際協調との整合性

オーストラリアは、緩和の縮小を9月から行うと言明をしています。

RBA(オーストラリア準備銀行)の癖としては、危機のあとに、いの一番に金利を上昇させるが常です。緩和を縮小した結果、豪は金利上げの準備に入るのだろう…というのは、金融専門家であれば誰でも理解していなければならないことなのに、理解していない専門家の方が多いのも事実です。

今回のテーマでは、FRBが9月までの数字を見ている、ということと妙な一致をしているということに注目です。つまり、FRBとRBAの連携作業の可能性があるのです。

RBAが緩和を縮小すれば、おそらく、国際協調の中のドル高の前提条件が崩壊します。それを防ぐためには、FRBもRBAと歩調を合わせて、金融緩和の縮小を行う可能性の方が高い、と考えるのが妥当です。

この辺は、アメリカ大陸の国家群がすでにテーパリングを実質、行っていることを踏まえてもっと解説をしなければいけないことですので、後日、当メルマガで改めて。ほかに南アもテーパリングをしています。

ともかくアメリカの信義の問題で、2020年に、ドル安維持で恩恵を受けたことを2021年には、その恩恵を他国に譲るというのがアメリカの信義であり、これは履行できなければ、他国からの信用が落ちることはアメリカ自身がよく理解しているでしょう。

つまり自ら積極的に動いて、ドル安の方向にはいけない、というジレンマをアメリカは抱えていますので、このテーパリング問題は難しいのです。

Next: テーパリング前倒しに要警戒。物価指標を注視するしかない

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