ゲームからAIの時代となり重要度が増してきた「GPU」
これだけなら、あくまで複雑で高度なゲームをやるための半導体というだけで、マニアックなところで終わる可能性があったのですが、実はこのやり方が今のAI、あるいは自動運転など、そういった時代にまさにマッチするようになってきました。
例えばAIというと、ある物を見て、人間が目で見るようにそれが何なのかを判定して認識するといった情報が必要です。
けれどもそれはCPUの得意とするところではなくて、GPUが色々な物を同時並行的に処理することで、機械で認識することができるようになったのです。すなわちそれがAIです。
様々な物を人間が認識しているように、同時並行的に処理することができるものとして使われるようになってきました。
自動運転についても同様で、運転をする時は道路の先だけ見ておけばいいというわけではなくて、右から何が出てくるか、左から何があるかということを常に認識していかなければなりません。
そこで使われるのがこのGPUです。
元々はゲームでこういった映像をベースに、大量に情報を処理する技術を磨いてきたからこそ、AIなどに応用できるようになりました
業績は、昔は赤字の時もあったりしたのですが、特にこの2017年・2018年というところで大きく業績を伸ばしてきます。
これはまさにゲームに採用されたところが大きいです。
最近はデータセンターなどのビジネス用途など、そういうところにも求められるようになってきています。
様々なシステムで今やAIというのが尽きませんけれども、それをするためにはエヌビディアのシステムと半導体が必要不可欠となってきています。
その結果、EPSで見ると0.3ドルぐらいにも満たなかったところが、わずか5年ぐらいで3ドルと10倍近い利益の伸びを記録しています。
業績を見ますと2018年・2019年だけではなくて、直近も大きく伸びています。
これはコロナ禍が非常に大きいです。
ここでゲームやゲーミングPCなどそういった物の需要が伸びてきたことがもちろんあります。
これは多くの半導体会社で認められているところです。
さらにはAIのディープラーニングにGPUが最適だったということで、これを作る為にAmazonのAWSだとか、マイクロソフトのazureといったところにもどんどん搭載されるようになってきています。
もちろんハイスペックなPCにもどんどんを投入されています。
そして自動運転なども含めた最新技術へも搭載されるようになってくるわけです。
したがってエヌビディアの強みとしましては、ゲームで培ったこのグラフィックボードGPUの技術がまさにこの時代、自動運転の時代に求められる技術だったのです。
その技術を長く磨き続けて、今それがゲームという狭い世界だけではなくて、世の中のあらゆることに求められつつあるわけです。
そしてAI半導体のプラットフォーマーの分野では欠かせない主役として、躍り出るのではないかと見られています。
ある半導体メーカーのCEOがこういうことを言いました。
「パソコンの時代は86型が主流だった」と、この86型というのはインテルが作っている半導体です。
それがWindows95以降パソコンを設計してきたのです。
さらにはモバイル、スマートフォンの時代になると、半導体設計の会社で省電力で電力を大きく使わない、Armがプラットフォーマーとして設計してきました。
そしてこれは2018年頃の発言なのですが、AI時代にはエヌビディアのCUDAが主流になると言っています。
これはなくてはならないものなのです。
これらいずれも1度これらが覇権を取ったら、もはやそこから別のものに移ることはあり得ないという文脈で発言しています。
したがって、もうすでにこの2018年の時点でこのエヌビディアのCUDAが、AIの半導体脳というのを席巻しているのですから、これがもう今後必要不可欠なものとして躍り出てくるだろうということが予見されています。