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PayPay手数料徴収は吉か凶か。Yahoo!・LINE統合でZホールディングスに起きた変化=シバタナオキ

インターネットメディアの印象

出典:Zホールディングス決算資料

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――それではまず、Yahoo!とLINEの広告収益を中心としたメディア事業の詳細を見ていきましょう。

――Yahoo!の広告収益で見ると、季節要因ということもあり、前クオーター比では落ちています。しかしYoYで見ると、結構意外なところで検索広告などが特に大きく伸びている状況です。

出典:Zホールディングス決算資料

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――続いてLINEの広告収益を見ると、こちらも同じく季節要因があるはずですが、前期比ではほぼ横ばい、むしろ少し上がっています。

――ただYoYで見ると、特にディスプレイ広告が大きく伸びているような結果になっています。これは恐らく、LINEアプリ内のトークリスト内での広告枠増加のような施策が、去年から今年にかけてかなり多く動いていたので、それが要因であるようです。

出典:Zホールディングス決算資料

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――メディア事業単体でEBITDAを見てみると、Yahoo!もLINEも40%を超えており、非常に高い利益率となっています。

出典:Zホールディングス決算資料

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――さらにそれぞれのメディアのユーザー基盤数を見てみると、Yahoo!のログインユーザー数は約5,000万人を超えており、LINEのMAU数も8,900万人と、非常に高い水準にいることが分かります。

――国内インターネットメディアとしては非常に強いポジションにおり、正直国内ではかなり安泰なように見えています。

――インターネットメディアセグメントの印象としてはいかがでしょうか。

Yahoo!はニュースや天気など、毎日使うコンテンツを持っており、LINEはメッセンジャーを持っています。

その中で大きい物同士がくっついっているので、かなりその盤石な態勢になっているのは間違いないでしょう。

出典:Zホールディングス決算資料

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Yahoo!の方の広告事業を見ると、検索のところが非常に伸びているのが分かります。これは恐らく、ショッピングの広告の伸びが影響していると言えるでしょう。

コロナでコマースが伸びているので、コマース型の広告、Yahoo!ショッピングに出店しているお店の広告が増え、広告事業が伸びているという見方だと思います。

コロナ後に元の水準に戻ると考えられるので、今回は14.5%とかなり高い成長率にはなっていますが、恐らくまた1桁に戻るのではないでしょうか。

出典:Zホールディングス決算資料

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こちらがLINEの広告です。アカウントの広告はいまいちですが、ディスプレイ広告は安定的に伸び続けていることが分かります。

コロナ中もコロナ前も、そしてコロナ後も、こういった感じで前年同期比+40~50%で伸び続けていくのではないでしょうか。

そういった意味で、メディア事業や広告事業に関しては、Yahoo!の方はコロナ要因がかなり含まれています。特にショッピング関連広告ですね。

LINEの方は、もちろんコロナの影響をプラスに受けているとは思いますが、コロナが終わってもまだまだ伸び続けるでしょう。

このように、割と対照的な数字になっていくのではないか、というのが私の見方です。

Next: 同じモール型ECの楽天とGMV(流通取引総額)に差が出るのはなぜ?

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