米国はトランプ政権でもバイデン政権でも、中国を驚異として捉える見方が継続。しかし、米中間のビジネス協議は水面下では依然として進んでいます。「投資の神様」と異名をとるウォーレン・バフェット氏も「今がチャンス」とばかりに、アリババなど株価の下がった中国企業株の買い占めに走っているようです。(「浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』」浜田和幸)
※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2021年10月15号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
「中国は驚異」バイデン政権でも対中強硬姿勢/h3>
トランプ前大統領もバイデン現大統領も、こと中国に関しては「アメリカの基盤を揺るがしかねない脅威」との見方では一致しているようです。
とはいえ、米中関係は「持ちつ持たれつ」の相互依存関係であることも無視できません。
中国からアメリカに留学している大学生や研究者の数は、37万人に達しています。
特に、アメリカの大学における科学・技術・工学・数学の分野に限ってみれば、中国からの留学生や研究者を抜きにしては成り立たないほどです。
最近では司法省やFBIが目を光らせ、中国人による知的財産権を侵害するような動きは排除する事例も報道されるようになりました。
とはいえ、そうしたケースはごくまれです。
にもかかわらず、アメリカ国内では「中国脅威論」が幅を利かせ、「中国人差別」という風潮すら生んでいます。
中国人の「米国留学」は激減、アメリカの大学が経営難に
そのため、中国からアメリカに留学する学生も激減し、アメリカの大学にとっては最大の授業料を払ってくれるお得意様がいなくなり、経営に支障が出るようにもなっています。
すでにこの10年で、10億ドルの授業料が減収になったようです。
問題は、こうした相互不信が深まることで、学問や研究の幅が大きく狭められてきたことにあります。
世界が解決しなければならない環境問題や感染症対策などには、国際的な協力体制が欠かせないはずです。
実際、アメリカの研究機関でこうした分野を中心に活躍してきた研究者の中には、中国人やアジア人が多数在籍していました。
ところが、こうしたアジア系の研究者にはビザの延長が認められなくなり、突然の解雇を通告されるケースが急増しているといいます。
「自由で開かれた」教育環境が失われつつあると言っても過言ではありません。
意見の違いがあるからこそ、多様な見方も生まれ、そこから創造的な解決策も生まれる可能性があるはずです。
Next: 国境を気にしない投資家たち。バフェットはアリババ株の買い占めへ