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もう「円安=株高」は期待できない。日本円はひとり負け、負の影響に要警戒=持田有紀子

円安が進行している。円安になると輸出が伸びるやら、インバウンド需要がなどと、とかく日本株が上がる話につなげて語られてきた。でも、能天気にそんなこと言ってはいられないような、負の要素のほうがひたひたと日本に迫っているようにしか見えない。(『持田有紀子のグローバル投資術~日経先物、FXの投資戦略に最強の味方~』持田有紀子)

※本記事は、『持田有紀子のグローバル投資術~日経先物、FXの投資戦略に最強の味方~』 2020年10月19日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:持田有紀子(もちだゆきこ)
慶応義塾大学法学部政治学科卒。野村証券入社、本社・商品本部で株式トレーダーを経て、女性初の総合職として本店営業部へ。株式オプション課や営業課を経験する。退社後は人事コンサルティングの分野で活動し、行動科学や心理学に基づく人事評価のためのコンピテンシーモデルの開発などに携わる。2005年にアルジャントレード(株)を立ち上げ、海外の先物市場や外国為替取引のノウハウの蓄積を活用した投資情報サービスに関わっている。現在、同社における代表取締役。マネーコンサルタント。

覚悟していた以上の中国経済の減速を確認、短期のドル金利は急上昇

10月18日、中国のGDPが発表され、当初から景気減速は覚悟はしていたものの、それでも予想を下回る成長率をはじき出した。これで日本株をはじめとしてアジア株は下げに転じた。

しかしながらドル円は下がらず。むしろ114.45あたりまで上伸し、その日の高値を記録するにいたった。欧州時間で原油価格が一段高し、中心限月の先物価格は83ドル台を超えてきた。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

原油(WTI原油先物)日足(SBI証券提供)

原油(WTI原油先物)日足(SBI証券提供)

これがドル金利のほうを刺激し、ドルの短期金利は急激に上昇した。これによるドル買いも出てきて、ドル円は再び114円台ミドルを狙うが、新高値はつけられない。

その後のニューヨーク時間ではドル金利の上昇が一服したので、ドル相場は総じて軟化。それを好感して米国株は大きく切り返したのである。

アップルの新製品の発表や、フェイスブックの欧州での雇用の話でGAFAM中心にグロース株の堅調も大きかった。

円は“ひとり負け”状態。円安は良い循環を生み出すのか?

イギリスのベイリー総裁の発言や、ニュージーランドのCPIの大幅上昇で、緩和を修正を見直す動きとなっている。

そんななか一番何もしなさそうな円は“ひとり負け”状態である。

アベノミクスの残存があるのか、選挙モードというのもあるのか、ドル円やクロス円の上昇で東京市場では依然としてリスクオンのムードは根強い。しかし現在進行している円安は良い循環を生み出すだろうか。

円安になると輸出が伸びるやら、インバウンド需要がなどと、とかく日本株が上がる話につなげて語られてきた。

でも、能天気にそんなこと言ってはいられないような、負の要素のほうがひたひたと日本に迫っているようにしか見えない。

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※本記事は有料メルマガ『持田有紀子のグローバル投資術~日経先物、FXの投資戦略に最強の味方~』2021年10月19日号の一部抜粋です。平日毎日発行中のメルマガをリアルタイムで受信したい方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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image by:Frederic Muller / Shutterstock.com

持田有紀子のグローバル投資術~日経先物、FXの投資戦略に最強の味方~』(2021年10月19日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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