fbpx

オミクロン株は日本株の驚異か?売られすぎの銘柄多数、日経平均2万8000円割れの原因は別にある=栫井駿介

南アフリカで発生した「オミクロン株」の影響で株価は大きく下がりました。感染力や症状は未知数となっていますが、この新型コロナ株の発生は今後の株価に大きな影響を与えるのでしょうか?(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

【関連】中国恒大危機に青ざめる日本企業トップ3は?習近平の「富裕層叩き」で大打撃=栫井駿介

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

南ア変異株は株式市場の脅威か?

株価が大きく下落しています。先週末11月26日(金)の日経平均株価は2.5%、ダウ平均株価も2.5%下落しました(編注:原稿執筆時点11月28日。きょう11月30日の日経平均株価は3日続落、前日比462円安の2万7,821円となっています)。

もっとも、1年間のチャートで見ると大した下落ではありません。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

「NYダウ平均 日足足(SBI証券提供)」

NYダウ平均 日足(SBI証券提供)

しかし、体感的には株価以上の下げの勢いを感じます。年初来安値を記録した銘柄数は、東証一部で327にも上りました。これは東証一部上場企業の15%に相当します。指数自体はこれまで一部の銘柄が牽引して上昇していますが、全体としては軟調と言って差し支えない状況なのです。

金曜の下落の直接的な要因とされているのが、南アフリカで発見された新型コロナウイルスの新たな変異株です。これまでに発見された変異株の中でも突出して劇的な変異が見られるとのことです。

これが感染力や症状に与える影響は未知数ですが、変異が多いということは既存のワクチンが効かなくなる可能性が考えられます。

高値警戒感の高まりで売りが出ただけ

一方で、変異株の出現は株価下落の本質ではないと考えます。

そもそもコロナ禍で株価は上昇してきたわけですから、今さら新たな株が出たところであまり怖いものではありません。

確かに言えるのは、市場における高値警戒感が強まっているということです。特に米国市場では一本調子の上昇が続き、今にも利益確定したい投資家がうずうずしています。

そんな中でこのような分かりやすい材料が出ると、それ今だと売りが加速するのです。

Next: 「高値警戒」は賛同できるが、売られすぎの銘柄もゴロゴロしている

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー