「移民を受け入れると治安が悪化する」は根拠のない偏見
永吉希久子東京大学社会学研究所准教授はこう述べておられます。
永吉准教授は、「移民を受け入れると治安は悪化するのか」という問いを立てて「データ上ではそれを証明するものはない」と否定しています。
個人的には、貧困と犯罪に相関関係にあると感じていて、外国人を日本社会が排除するような行動を取る、安い労働者としての扱いしかしないことにより、彼らが犯罪に走ることはあると思いますし、それは外国人に限らず日本人にもあると思います
ただ外国人だから不当な差別を受けやすいということは、残念ながら今の日本社会にはあると感じています。
アメリカの研究では、移民が住民間の結びつきを弱めるという「社会解体論」は否定され、犯罪率に影響を与えない、むしろ減少させるとの結果が出たと。永吉准教授は指摘されています。
移民を受け入れると治安が悪くなるというのは、根拠のない懸念が偏見になっていくのかもしれません。
多様性に関しては日本は後進国かも
多様性という言葉がいろんな場面で使われているにも関わらず、日本社会には、未だに他を受け入れないものがあるように思えます。
排外主義なる、外国人を自分たちの社会で受け入れる姿勢に乏しいように思えてなりません。
名古屋出入国在留管理局の施設で起きた、収容中だったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが死亡した問題もあります。京都ウトロ地区の放火事件もありました。憎むべきヘイトクライムです。
ネット上ではヘイトスピーチがなくなることはありません。
ひょっとしたら、誰の心のなかにも、排他的、差別的な思想はあるのかもしれません。それを意識してゆくのか、それを当然と行動するのかで、社会のあり方は変わるのかもしれませんね。
本当の意味での「グローバル社会」というのは、ひとりひとりの意識が作っていくものなのでしょう。
労働力不足で外国人労働者を迎え入れるという発想で、国の経済を強くすることができるのでしょうか。このままだと、日本に来る外国人も、日本の労働者も、良い環境になるとは思えないのですがね。
人口減少はテクノロジーでカバーすることはできます。日本の産業のあり方を見直すなど、もっと根本的な見直しが必要なのではないでしょうか。
<初月無料購読ですぐ読める! 12月配信済みバックナンバー>
※2021年12月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- らぽ~る・マガジン第499号(2021.12.13)「外国人労働者の在留期限見直し、永住権取得や家族帯同可能へ」(12/13)
- らぽ~る・マガジン第498号(2021.12.6)「川勝平太静岡県知事「女性蔑視発言」、リニアモーターカーはどうなる」(12/6)
※本記事は、らぽーる・マガジン 2021年12月13日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方は、ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込330円)。
- らぽ~る・マガジン第497号(2021.11.30)「おまけ」(11/30)
- らぽ~る・マガジン第497号(2021.11.29)「辺野古移設工事の設計変更「不承認」~ 新たな法廷闘争」(11/29)
- らぽ~る・マガジン第496号(2021.11.22)「人知れずひっそりと消える安倍看板政策4分室」(11/22)
- らぽ~る・マガジン第495号(2021.11.15)「自民党公約「防衛費をGDP2%水準」が現実的に…」(11/15)
- らぽ~る・マガジン第494号-2「地方活性化からの成長戦略「デジタル田園都市構想」(追記)」(修正)(11/10)
- らぽ~る・マガジン第494号-2(2021.11.10)「地方活性化からの成長戦略「デジタル田園都市構想」(追記)」(11/10)
- らぽ~る・マガジン第494号(2021.11.8)「地方活性化からの成長戦略「デジタル田園都市構想」」(11/8)
- らぽ~る・マガジン第493号(2021.11.1)「ガソリン価格高騰の裏側/自民党勝利、野党惨敗…」(11/1)
『らぽーる・マガジン』(2021年12月13日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
らぽーる・マガジン
[月額330円(税込) 毎週月曜日]
絶対に知るべき重要な情報なのに、テレビなどが取り上げないことで広く知らされていないニュースを掘り起こし、また、報道されてはいるけどその本質がきちんと伝わっていない情報も検証していきます。情報誌は二部構成、一部はマーケット情報、マーケットの裏側で何が動いているのかを検証。二部では、政治や時事問題、いま足元で何が起こっているのかを掘り下げていきます。“脱”情報弱者を求める人、今よりさらに情報リテラシーを高めたい人はぜひお読みください。CFP®資格の投資ジャーナリストが、毎週月曜日にお届けします。