fbpx

円高・株安の行方と債券市場~国債価格は異常なほど高騰している=久保田博幸

アベノミクス相場の「反動」としての円高・株安

もう少し長い目でドル円や日経平均の動きをみると、これはいわばアベノミクス相場の反動といった動きにも見えまいか。日銀の金融緩和により円安・株高が演出されてきたが、その日銀やECBの追加緩和に対して市場は見切りをつけてきたようにも思われるのである。

特に日銀は肝心の物価目標達成時期を先送り続けており、金融緩和による効果が疑問視されてもおかしくはない。ただし、日銀が強力に国債を買い入れ、足元のマイナス金利化により債券市場は流動性が後退するなか、10年を超える国債の利回りのマイナス化が継続している。

つまり債券については人為的に利回りが押さえつけられている状況にあり、日銀の大胆な金融政策は国債のイールドカーブをこれでもかと引き下げられているが、結果が出ているのはそこだけともいえる。

異常に高騰している国債価格

期待による円安・株高効果も後退しつつあり、アベノミクスにより残ったのは、日銀の金庫に積まれた膨大な国債と(実際は国債はペーパレスなのでイメージ)、これでもかと引き下げられたその国債の利回りとなる。

つまり国債の価格は異常なほど高騰している。ドル円や株は素直に調整しているようにも見えるが、果たしてこのまま国債もおとなしくしているのであろうか。


※『牛さん熊さんの本日の債券』は毎営業日の朝と夕方に発行いたします。また、昼にコラムの配信も行ないます。興味のある方はぜひこの機会に定期購読をお願いいたします。

【関連】私がスイス・ユニオン銀行で目の当たりにした「為替介入」の現場=矢口新

1 2

牛さん熊さんの本日の債券』2016年5月2日号より
※記事タイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

牛さん熊さんの本日の債券

[月額1,100円(税込) 毎週月・火・水・木・金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
金融サイトの草分け的な存在となっている「債券ディーリングルーム」の人気コンテンツ、「牛さん熊さんの本日の債券」がメルマガとなりました。毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを会話形式にてお伝えします。さらっと読めて、しっかりわかるとの評判をいただいている「牛さん熊さんの本日の債券」をこの機会にぜひ御購読いただければと思います。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー