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ビットコイン相場を脅かす「米大統領令」発令迫る、その中身は?“デジタルドル”準備と暗号資産の監視に本腰を入れ始めたワケ=高島康司

FBIが暗号資産部門を設立

また「FBI」も例外ではない。「CBDC」と暗号資産の標準規則の制定に向けた動きを加速させている。

「司法省」は、全国規模の新しい暗号通貨規制執行チームのリーダーに、経験豊富なコンピュータ犯罪担当の検察官を起用し、「FBI」がブロックチェーン分析と暗号資産の押収のためのユニットを立ち上げることを発表した。

「FBI」の「暗号資産ユニット」の創設は、今月初めに「司法省」が行った史上最大の金融機関の差し押さえの後に行われた。同局は、暗号通貨取引所、「Bitfinex」の2016年のハッキングで盗まれた、現在45億ドル以上の価値を持つビットコインを資金洗浄した疑いで、ニューヨークの夫婦を起訴した。

また「司法省」では、リサ・モナコ司法副長官が同省の暗号通貨執行チームを率いる。モナコ副長官は、国際的な「暗号通貨イニシアチブ」の設立を発表し、サイバー犯罪者を密告して告発の可能性が損なわれるリスクを冒してでも、資産のハッキングの脅威を阻止するために積極的に活動するとした。

FRBによるさらなる利上げ観測

このように、バイデン政権は「CBDC」の本格的な立ち上げに向けて、暗号資産を規制する包括的な規則の制定に向けた動きを加速させている。

最近のビットコインなどの暗号通貨の下落の背景には、このような状況があることは間違いない。

しかしながら、アメリカのインフレ抑制を目的にした「FRB」の利上げ懸念で、ナスダックとともに暗号通貨の相場も大きく下げることになるため、ビットコイン相場の下落懸念を強めている。

「FRB」は高インフレが政治問題化している以上、22年には利上げを7回実施する可能性を示唆している。また、償還前に「FRB」が保有する債券を売却する「積極的圧縮政策」も実施が取り沙汰されている。

このような政策の実施は株式相場を下落させるだけではなく、引き締めをまったく想定していない一部の個人投資家や、ビットコインなどの暗号資産の投資家、プライベートエクイティ関連の投資家に大きな盈虚を与える可能性がある見られている。

バイデンはそこまで厳しくない?

このように今週は、来週にも行われるバイデン政権の大統領令の発表を前にして、ビットコインを中心とした暗号通貨の相場は弱気の展開となった。このような消極的な動きは、大統領令の発表までは続くと思われる。

しかしながら、そうしたなかにあっても、ウォールストリートの大手の金融機関によるビットコイン分野への参入が相次いでいる。すでにウォールストリートの大手の投資銀行やへッジファンドは、ビットコインを投資のポートフォリオに加え、顧客向けのサービスを次々と提供している。

バイデン政権が暗号通貨の取り引きを全面的に規制するとは思っていないようだ。

Next: 仮想通貨に追い風?世界最大級の銀行がビットコイン分野に参入

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