西側諸国から経済制裁を受けているロシアですが、資源大国であるがゆえに、完全な取引停止を実行することは各国もできずにいます。ロシア資源は中国を通じて取引が継続される可能性があり、このことは世界の基軸通貨としてのドルの座を揺るがしかねない状況です。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2022年3月9日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月分無料のお試し購読をどうぞ。
制裁後も続くロシアの資源取引
ウクライナ情勢は依然として混沌としており、ロシアがどこを落としどころとしてくるのか、様々な憶測が飛び交いはじめています。
その一方で、西側諸国は結束して「SWIFT排除」を中心とした経済制裁を行い、ロシアを相当に傷めつけることとなっております。
ロシアルーブルは急落し、中銀は為替介入もままならず、さらに下落の道を歩むであろうことは容易に予想できるところとなってきています。

ロシアルーブル/円 日足(SBI証券提供)
さらにロシアの債券の利払いや償還についても手出しができない状況に陥っており、来週にはとうとうデフォルトに陥ることが確実な情勢になってきています。
ただ、どれだけロシアを金融システム的に追い詰めても、世界有数の資源国であることは変えられません。
米国はひとりロシア原油の禁輸措置を打ち出していますが、欧州各国は必ずしも完全禁輸には賛同できていないようで、日本もサハリンの油田開発からは足抜けできない微妙な状況が続いています。
こうなるとSWIFT規制はしても、何らかの形でロシアとの取引が残る可能性は非常に高くなっており、ならば決済システムはいったいどうするのか?……という歪んだ問題が顕在化してくる状況です。
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