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ロシアルーブル上昇は買いか売りか?値動きの前に投資家が見るべきは「流動性」=栗原将

急落したルーブルが上昇して値を戻しつつあります。最近よく質問されるのが「ルーブルが再上昇しているのですが、買った方がいいですか?」というもの。結論から言うと、買いか売りかというよりも、「取引自体をおすすめしない」ということになります。(『海外移住から帰国した50歳男子の北海道くらし日記』栗原将)

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再上昇を始めたルーブルは買い?

最近、ロシア絡みの記事が多いので、いただく質問や感想もロシア関連が多くなっています。

いちばん目立つのが、「ルーブルが再上昇しているのですが、買った方がいいですか?」といったもの。

ロシアルーブル/円 日足(SBI証券提供)

ロシアルーブル/円 日足(SBI証券提供)

投資は自己責任ですが、自由でもあるので、やりたいのであれば、それは構わないと思います。自分の考えとしては、買いか売りかというよりも、「取引自体をおすすめしない」ということになります。

投資でいちばん重要なのは、「売り買いを自由にできること」です。

ダウ平均やS&P500に信用があるのは、いつでも売り買いできるからです。「9.11」みたいな時は別ですが、市場が開いてさえいれば、取引ができる。

さらに言えば、市場が閉まっている時間であっても、夜間市場や先物市場で取引ができる。結果として、取引に厚みが出てくる。

これが「流動性」というものです。

投資に関係ない人からはネガティブに見られることが多いFXや商品先物市場ですが、短期で儲けようとする”強欲(グリード)”があるからこそ、円滑な売買となるのです。

「自由に売り買いできない」ものは避けるべき

「ルーブルが上がった」と言っても、ウクライナ侵攻前まではルーブルを扱っていた日本のFX会社ですが、軒並み「取引停止」が継続したままとなっています。

あくまでこれは一例ですが、現在のロシアについては、株式市場にしても為替市場にしても、自由に取引できる状況ではありません。

自由に取引できないということは、当局が恣意的に相場を維持している可能性もある。というか、可能性が極めて高いです。

そういう意味では、日本でも最近、空売り規制が検討、みたいな報道がなされていましたが、これも市場を歪める行為であり、長期的にはかえって東京市場を弱めるだけと考えています。

話を戻しますが、「最近のルーブル上昇を見て、ルーブル買いしたくなった」という人の多くは、上昇の前提である自由でない市場・恣意的な市場であることを理解していません。

もし、これを理解したうえで「混乱とリスクの中にこそリターンがある」との覚悟があるなら、話は別です。

しかし、流動性が薄い市場や投資商品は、個人的にはおすすめしませんね。

繰り返し言いますが、上がる・下がるよりも、「売りたい時に売れる」という方が大事です。

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image by:Serega_tm / Shutterstock.com

海外移住から帰国した50歳男子の北海道くらし日記』(2022年4月4日号)より
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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9年間のタイ、フィリピンでの海外移住生活から帰国し、北海道暮らしをはじめた50歳男子が、久々の日本生活から感じることや、海外生活のメリット・デメリット、そして、地方暮らしの実際について独自目線で語っていきます。

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