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「死後も引き落とされるNHK受信料」がSNS上で話題に。サブスク全盛&孤独死の増加で残された身内が死後事務で“詰む”ケースが激増か

生前一人暮らしをされていた方が、その死後もNHK受信料が引き落とされ続け、それに気付いた遺族の方がNHKに契約解除と返金を求めるも、その手続きが遅々として進まない……といった内容のツイートが、SNS上で大きな反響を呼んでいるようだ。

一連のツイートによると、まずは電話で解約を意思をNHKに伝えようとするも、その電話が何度かけてもまったく繋がらなかったとのこと。ようやく繋がった先で、解約の手続きはできたものの、死亡後に引き落とされた料金の返金に関しては、さらに別の担当部署との必要書類の送付も含めたやり取りが必要だったという。

その際NHKからは、亡くなった契約者が“一人暮らしだった”と分かる何らかの証明も求められたとのこと。役所では亡くなった人の住民票は出してくれないため、考えた挙句代わりに住民票の除籍票を送ったというこの方だが、NHKとのやり取りはまだ現在進行形のようだ。

死後、払い過ぎた受信料を巡る本来の対応は?

最近ではテレビだけでなく、スマホや“地上波の映らないテレビ”からも強制徴収を行う動きがあると取沙汰され大騒ぎになるなど、何かと物議を醸しているNHK受信料。

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その受信料が、生きている間ならともかく死後も徴収が続き、その返金手続きも煩雑を極めるという今回の件。猫も杓子もとりあえず契約しろとの呼びかけは旺盛にするにもかかわらず、その解約や過払い分の返金はなかなか応じてくれないのか……と憤る声も多いのだが、当該ツイートへの反響をみると、今回のような出来事は以前から結構起きているようで、先方の言うまま払ってしまったというケースも多々あるようだ。

実際のところ、NHKはこのようなケースの際、どういった対応を取ることにしているのか。亡くなって数年経つ母親宛に、NHKから多額の受信料支払いを求める督促状が届いたという、今回の件と似た事例を取り上げた過去のニュース記事によると、NHKとしては、一人暮らしの方の死亡が確認された際は、亡くなった当月で解約とし、それ以降の受信料は発生しないとアナウンスしている模様。亡くなった後に引き落としされてしまった受信料は、過払い扱いとして返金するよう対応しているようだ。

ちなみに、今回の件でも取沙汰されていた“一人暮らしであることの証明”だが、これはNHK受信料が世帯ごとの契約であるため、他に同居人が生存している場合は、その人に契約が引き継がれるためだ。

ただし、この過去の事例では、コールセンターから「死後の分まで払え」と言われていたようで、NHK本体が謳っている正式な対応と、コールセンターで行われる対応が全く異なるというケースもままある模様。そのあたりは、しっかりと主張をしないと損をしてしまう……といったところのようだ。

サブスク普及でより煩雑化する遺族の死後事務

「故人の死後事務を怠ったから……」と、遺族の対応の不備を指摘する声も一部からはあがっている今回の件だが、とはいえ少子化や核家族化により一人暮らしの高齢者が増え、その孤独死も多く取沙汰される昨今、NHK受信料に限らず同様のような出来事が、今後多く起きそうなのは火を見るよりも明らか。

さらに、以前なら月ごとに銀行引き落としやクレジットカードで払うものといえば、家賃・光熱費にNHK受信料ぐらいだったのが、最近ではサブスクリプションサービスが広く普及。当の本人ですら、今どれだけのサブスクに入っていて、毎月どれぐらい払っているのかが正確には分からないといったこともあるだけに、故人の死後にその身内とはいえ他人が、生前の様々な契約状況のすべて把握するというのは極めて困難だろう。

この手の問題の対応策としては、クレカの引き落とし先も含めた故人の口座を止めるのが手っ取り早そうだが、それも先述の通り漏れなく把握できるものなのかという問題が。それだけにSNS上では、死後にサブスクも含めた様々な自動引き落としを止められるようなワンストップのサービスが出てくれれば……といった声も出てきている状況だ。

いつ訪れるのか分からない自らの死。大した資産もないし遺言やエンディングノートなんて大袈裟……と思う人でも、これからは加入しているサブスクのリストアップぐらいはしておいたほうが良いというのは間違いなさそうである。

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