3度目のコロナワクチン接種を受けた人を対象に、イベントの割引などを適用する「ワクワクイベント」なる事業の実施を、政府が検討していることが判明し、大きな反響を呼んでいる。
報道では、岸田首相が6日午後に会見を行う予定とされており、新たな経済対策やコロナ対策を表明するとのことだが、そこでこの「ワクワクイベント」の概要が発表されるようだ。
また複数の政府関係者によれば、ワクチンの3回目接種が済んだ人を対象に、コンサートやスポーツ観戦などのイベントに割引を適用する事業となる模様。地域ブロック単位の旅行割引とともに、接種の促進と経済対策を結びつける狙いだという。
悪印象しかない「GoTo」の名前を封印?
最近ではあまり耳にする機会がなく、もはや死語同然ともいえる“ワクワク”というワードを用いた、あまりにも微妙すぎるネーミングに、ネット上からは「エイプリルフールはもう終わったぞ」といった声もあがるなど、多くの人を脱力させている今回の件。
エイプリルフールは過ぎてるんですけど〜♫
【速報】「GoTo」改め「ワクワクイベント」を政府検討 ワクチン接種者に割引適用 経済・感染対策の両立へ https://t.co/6yN5mwilId
— 長嶋 修 (@nagashimaosamu) April 6, 2022
GOTO 改め“ワクワクイベント”の見出しに脱力。ワクワクのワクはワクチンのワクに2度脱力。
— ほさぷ (@hosappu) April 6, 2022
ちなみにワクワクの“ワク”は、ワクチンにちなんでのネーミングのようだが、さっそく「コロナウイルス湧く湧く」「感染者が湧く湧く」「副作用、湧く湧く」などと、散々に揶揄をされている状況だ。
ワクチン接種を受けた人にイベントの割引などを適用する「ワクワクイベント」という事業を検討している政府。
感染が終息していないのにワクワクもクソもねぇよ🙄
「コロナウイルス湧く湧くイベント」だな🙄
— 法學院狂魔 (@Adepteater029) April 6, 2022
感染者湧く湧くキャンペーン
— SHIN∞1🌏 (@shin19infinity) April 6, 2022
そもそも、本来なら「GoToイベント」となるところを「ワクワクイベント」に改め、「GoTo」というネーミングを封印したというのは、これまでに「GoTo」が帯びてしまったマイナスイメージを払拭したいという意図も透けて見えるところ。つまり、政府が「GoToは失敗だった」と半ば認めたも同然だとも言えそうだ。
普及がまったく進んでいないワクチン接種証明アプリ
このように、SNS上ではそのネーミングに対してツッコミを入れる声が多いなか、「事実上のワクチンパスポート」「ワクチン接種の有無で国民に優劣つけて分断」というように、ワクチンを“打たない自由”を侵害するものだという意見も多くみられる、今回の「ワクワクイベント」。
人参をぶら下げて接種させようとするのは社会通念上許されるのでしょうか。これは事実上のワクチンパスポートであり自己決定権の侵害です。
「GoTo」改め「ワクワクイベント」を政府検討 ワクチン接種者に割引適用 経済・感染対策の両立へ https://t.co/LRxYtpgOOK
— 須藤元気 (@genki_sudo) April 6, 2022
大阪を中心にコロナでバンバンひとが死んでるこの悲惨な状況のなか「ワクワクイベント」と銘打って「ワクチン接種の有無」で国民に優劣つけて分断しようとする自民党。下劣なイベント名には犠牲者遺族への配慮の欠片もない。国民もいい加減ここらで怒って選挙に行き、自民と維新を落とすしかない。
— さよなら昨日の私 (@SaYoNaRaKiNo) April 6, 2022
ワクチン打って死亡した方、後遺症に苦しんでいる方もいる中こんなものは許されない。打たない人や打てない人を差別的に取り扱うのはNGでしょ。打ったって罹るし。
【速報】「GoTo」改め「ワクワクイベント」を政府検討 ワクチン接種者に割引適用 経済・感染対策の両立へ https://t.co/hXz2m1zAw5
— サハ208(T) (@5__DOORS) April 6, 2022
さらには、新規感染者数が高止まりしている今の状況下で検討するべきことか?といった意見も。そもそも政府はちょっと前に、ワクチンの2回接種か陰性証明のどちらかで飲食店やイベントの人数制限を緩和するという「ワクチン・検査パッケージ」の導入を推し進めていたが、オミクロン株による感染が拡大した今年1月に突如中止するというドタバタ対応があったばかりで、「その反省もなく……」といった声も聞こえてくる。
「GoToイベント」から名称を改め、ワクチンの「ワク」とかけて、「ワクワクイベント」とする方向
岸田総理、これはあまりにもひどくありませんか?使い物にならなかったワクチン検査パッケージの反省もなく、ワクイベント?
感染対策、経済対策以前の問題です。 https://t.co/DnoJ7iF3oZ— 稲垣昭義 (@dream21ai) April 6, 2022
割引を適用するには主催側にも客側にも余計なコストがかかるということ。わざわざコストをかけて割引を適用してもマスクしろ声出しするなだったら何の意味もない。
ゴミ同然のワクチン・検査パッケージを廃止したと思ったらまたゴミを出してきやがったゴミみたいな政府。https://t.co/F7xpafDyQ1— しぐれ (@shgr_ni) April 6, 2022
仮に今回取沙汰されている「ワクワクイベント」が実施された際に、恐らく活用されるであろうワクチン接種証明アプリのほうも、このような国のドタバタ対応も大いに影響してか、登録者数が伸び悩んでいるようだ。例えば東京都が昨年11月に運用を開始したアプリは、登録者が3回目の接種を終えた都民の1割に満たないようで、都は上野動物園のパンダを優先して観覧できる独自特典まで企画しているという。
また、政府・デジタル庁が提供している「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」のほうだが、こちらはほぼ最新のスマホ端末が必要になるのにくわえ、マイナンバーカードの登録が必須になるなど一定のハードルが存在するとされ、あまねく国民に普及するというのは現実的ではなさそうというのだ。
コロナ禍からの経済の立て直しは急務だとはいえ、このように実質上一部の者しか恩恵を受けられそうもない施策に巨額の血税が投じられる話となれば、否定的な意見が多く出るのも当然といったところだろう。
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