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突然のワクチンパッケージ停止にイベント関係者大混乱。ブレイクスルー感染続出も“3度目の接種”が迫る流れに「矛盾して見える」との声

コロナ禍における行動制限の緩和に向けて政府が推し進めていた「ワクチン・検査パッケージ(パスポート)」だが、いったん停止する方向で最終調整に入ったことが報じられている。

ワクチンの2回接種か、検査の陰性証明のどちらかで飲食店やイベントの人数制限を緩和するというワクチンパッケージ。しかし今年に入ってオミクロン株の感染拡大が進んでおり、2回目の接種を済ませた人でもブレイクスルー感染する事例が続出。現状の仕組みのままでは、その活用は難しいと判断されたようだ。

今後は、19日に開かれる予定の基本的対処方針分科会で、この案を諮問する見通しだという。

“パッケージ”を活用予定だったワンフェスは?

感染対策と社会経済活動の両立を図る手段として、本格導入に向けて準備が進められて来たワクチンパッケージ。

近々行われる大規模なイベントで、実際に活用する予定だったところも結構あったようで、例えば2月6日に開催される世界最大のガレージキットのイベント「ワンダーフェスティバル(ワンフェス)」でも、事前にその旨が伝えられていた。

運営サイドからは「緊急事態宣言や蔓延防止が出た場合でも ワクチン検査パッケージ という方法を使って開催いたしますのでそれらを超えるよほどのことがないと中止という事態にはなりません」とのコメントも出ていたものの、その頼みであるのワクチンパッケージが、ここに来て停止になるという事態に。これを受けて運営側は、開催について行政側と改めて詳細の確認と検討をするとコメントしており、すでに開催間近ということもあり対応に追われているようだ。

このワンフェスの場合「ワクチン接種証明」以外にも、2月3日以降に受けたPCR検査による陰性証明で入場できるとしている模様だが、その陰性証明にも決して安価ではない費用が掛かるだけに、もしもそれが必須とされるのであれば、参加を断念する人も出て来るのではといった見方も。また、開催地である幕張メッセのある千葉県も、今後「まん延防止等重点措置」が適用される見通しとあり、ファンの間では「開催はかなり怪しくなってきた」との声もあがる状況だ。

“パッケージ”再開は相当先のことに?

これまでワクチンを2度接種した人は、接種対象となる12歳以上のうち78.6%(1月17日時点)にまでのぼるいっぽうで、18日発表の新規感染者数は東京で再び5000人を超えるなど、感染者増加に歯止めがかからない昨今。2度の接種では、オミクロン株の感染拡大に対してはほとんど効果がないことが証明された格好だ。

すでに今月13日の段階で、松野博一官房長官がワクチンパッケージに関して、3回目接種を条件とする可能性に言及しており、今後再開させる場合は、それが新たな条件となりそう。ただ現在、厚生労働省が従来までの接種間隔を短縮させるなどして、前倒しで行おうと準備を進めているが、これまでのパターンをみても、多くの人が3回目の接種を終わらせるには数か月~半年ほどの期間はかかりそうである。

また検査を活用するにしても、これも昨今のオミクロン株の感染拡大により、このところ検査数が殊に増えているとも報じられている。また検査に関しては、症状がある人に優先的に行うべきとの意見もあり、感染を不安に思うすべての無症状者に無料PCR検査をすることが難しくなっているとのこと。そう考えるとワクチンパッケージは、万が一再開するにしても、それは相当先のことになりそうな情勢である。

そんなワクチンパッケージ自体、導入に対しては批判的な声も多かったわけだが、いっぽうで2度のワクチン接種をすれば、コロナ禍による行動制限から解放されることをモチベーションとして、接種を受けてきた人も少なからず存在したのも事実。しかし、今回のワクチンパッケージ停止で、その“神話”がすっかり崩壊した格好だ。

となると、次に控える“3回目”の接種に対して、懐疑的な視線を送る向きが増えてくるのも当然で、“パッケージ停止するのに3回目の接種を推進するのは矛盾して見える”といった声、さらには“3回目の接種を半ば強制させるためのパッケージ停止”という見方も、SNS上では浮上している状況である。

今後、新たな変異株の出現によっては、3回目どころか定期的にワクチンを打ち続けなければならない可能性も取沙汰されている今の状況。これまでの接種で副作用に苦しんだという人にとっては、憂鬱すぎる状況がまだまだ続きそうだ。

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