政府の「日本国民に対する金融制裁」で貧困と格差が拡大していくのは、もはや止められない動きだ。高度成長期の日本と、貧困と格差が拡大していく今の日本は、まったく違う国になってしまっている。今の社会の経済格差と貧困の蔓延は、変わり果てた姿になった日本社会が生み出した。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。
「日本国民に対する金融制裁」が行われている現実
ドル円レートがいよいよ130円を超えるレベルの円安となった。20年ぶりの円安である。日本政府は「注視する」だけで円安の対策をしないが、これは「日本国民に対する金融制裁」と言っても過言ではない。
そして、このコロナ禍や景気が悪い中、日本政府は消費税を取りまくる。消費税こそが日本の内需を殺して日本の成長を停滞させている元凶なのだが、2019年に10%に引き上げられてコロナ禍の中でも絶対に何が何でもこれを引き下げようとしなかった。
これも「日本国民に対する金融制裁」と言うしかない。
そもそも、日本人が取られている税金は消費税だけではない。国は所得税、住民税、固定資産税、復興税、自動車税、ガソリン税、酒税、タバコ税、贈与税、相続税……等々、あらゆる税金を国民に科しているのだ。まさに税による「日本国民に対する金融制裁」である。
それだけではない。日本政府は社会保険料を厳重に徴収するが、この社会保険料は20年間で35%も引き上げられている。これもまた「日本国民に対する金融制裁」である。
日本国民はこれだけ自国政府に金融制裁されているのだから生活が苦しくて当たり前であるとしか言いようがない。
この物価上昇で、困窮化する非正規雇用者や高齢者が増えている。すでに日本では年収186万円かそれ以下の収入しかないアンダークラスの人々が約1200万人に到達しているのだ。
政府の「日本国民に対する金融制裁」で貧困と格差が拡大していくのは、もはや止められない動きだ。
高度成長期の日本と、貧困と格差が拡大していく今の日本は、まったく違う国になってしまっている。今の社会の経済格差と貧困の蔓延は、変わり果てた姿になった日本社会が生み出した。
困ったことがあったら政府が何とかしてくれる?
日本社会は1990年のバブル崩壊以後、急激に変わっていった。どのように変わったのか。人々が頼りにしていたものが、頼りにならなくなっていったのだ。
時代が変わり、今まで「自分を守ってくれていたはずのもの」が、自分を守ってくれなくなっていた。ところが、人々は時代が変わったということに気付かず、まだ「自分はこれで守られるはずだ」と思い込んでいる。
その思い込みが落とし穴になっていて、足を踏み外して落ちたところが「貧困地獄」だったのである。
今の日本で最も大きな落とし穴は、「困ったことがあったら政府が何とかしてくれる」という思い込みだ。国民が困ったら国家が助けてくれるのだろうか。