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ソニー、初の営利1兆円超で大復活。新たな稼ぎ頭となったソフトウェア事業はどう生まれたか?=シバタナオキ

ソニーグループ株式会社は、2022年3月期(FY2021)の通期連結売上高、連結営業利益が過去最高を記録し、連結営業利益に関しては初めて1兆円を超えました。ソニーがここまでの規模に成長したのは、祖業のハードウェア事業中心のビジネスモデルから、長い年月をかけてソフトウェア(コンテンツ)事業へ主軸し事業を多角化したことが功を奏していると考えられます。今回の記事では、ソニーグループがどのように新規事業を生み出し、ソフト事業中心へシフトしていったのか、どのように事業を多角化していったのか、そのストーリーを深掘りしていきます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※筆者注:この記事はhikoさん(企画・リサーチ担当)とmasmさん(ライティング担当)との共同制作です。

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2022年05月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Q. 過去最高益1兆円を生み出したソニーの新規事業はどのようにして生まれたのか?

ヒント:●●によって事業の柱を作ってきた。さらには、●●の掛け合わせによる相乗効果で売上を拡大している。

ソニーグループ株式会社は、2022年3月期(FY2021)の通期連結売上高、連結営業利益が過去最高を記録し、連結営業利益に関しては初めて1兆円を超えました。

同じ2022年3月期決算で通期営業利益が1兆円を超えた国内企業は、通期営業利益3.0兆円のトヨタ、同1.8兆円のNTT、同1.1兆円のKDDIと、ソニーを含めて4社のみとなっており、その規模がいかに大きいかが伺えます。

ソニーがここまでの規模に成長したのは、祖業のハードウェア事業中心のビジネスモデルから、長い年月をかけてソフトウェア(コンテンツ)事業へ主軸し事業を多角化したことが功を奏していると考えられます。

今回の記事では、ソニーグループがどのように新規事業を生み出し、ソフト事業中心へシフトしていったのか、どのように事業を多角化していったのか、そのストーリーを深掘りしていきます。

会社概要と事業概要

まず、ソニーグループの会社、事業概要について解説していきます。

ソニーグループは、1946年5月に盛田昭夫氏と井深大氏によって前身の東京通信工業株式会社を設立したことから歴史がスタートし、1950年に日本初のテープレコーダー「G型」を開発し販売を開始しました。

その後もラジオ、テレビ、CD・MDプレイヤーなどのハードウェア開発をメイン事業としてきましたが、徐々にソフト事業を拡大し事業転換を図っています。

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ソフト事業の歴史は、1968年にCBS・ソニーレコード(現ソニー・ミュージック)の設立を通じてエンタテインメント事業に参入したのを皮切りに、1979年には金融事業、1989年に映画事業、1993年にはゲーム事業と、次々に幅広い事業に参入してきました。

ソニー・ミュージックの設立からは50年以上経っており、長い年月をかけてハードウェア事業からソフトウェア事業へのシフトを図ってきたと言えるでしょう。

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現在では、上図のように、2つのハードウェア事業と4つのソフトウェア事業、合わせて6つの事業会社をソニーグループが保有する形で運営しています。

<ハードウェア事業>
・エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業:ソニー
・イメージング&センシング・ソリューション:ソニーセミコンダクタソリューションズ

<ソフトウェア事業>
・ゲーム&ネットワークサービス事業:ソニーインタラクティブエンタテイメント
・音楽:ソニー・ミュージック
・映画:ソニー・ピクチャーズ
・金融:ソニーフィナンシャルホールディングス

事業の数で見ても、ソニーの中でソフト事業の比重が高まっていることがわかります。

Next: ソニーの今期業績を徹底解説。今後も伸びる?

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