節電をした家庭や企業に対してポイントを還元する新制度の導入を、政府が検討し始めていると報じられたことが、大きな議論を呼んでいる。
東京電力などの電力会社では、節電した電力量に応じて一定のポイントを付与するといった取り組みを、すでにアプリなどを用いて行っているが、政府はその還元制度を利用するとのことで、具体的には前年より節電した家庭などにポイントを還元することを想定しているとのこと。
政府としては今回のポイント還元制度の導入によって、節電へのインセンティブを高めるとともに、電気料金値上げなどの物価高対策にもつなげたいという狙いがあるようだ。
野党側からは効果のほどを疑問視する声が
今年3月には季節外れの寒さもあって、電力需給が極めて厳しい状況だとして、東京電力および東北電力の管内に「電力需給ひっ迫警報」が出されるなど、季節を問わず電力不足が懸念される状況となっている今日この頃。
そんななか迎える夏の時季だが、仮にこの夏が10年に一度の猛暑となった場合、東北・東京・中部電力のエリアにおいては、電力供給の余裕を示す「予備率」が、安定供給可能とされる3%に迫る3.1%となる予測が出ているという。萩生田経済産業相も先日「この夏は家族がひと部屋に集まりエアコン・テレビを…」と訴えるほど、厳しい状況が差し迫っているというのだ。
そんななか報じられた今回の「節電に対してポイント付与」だが、要は国民に対してさらなる節電に本気で取り組んでもらうための、一種のニンジンのひとつといったところか。ところが、SNS上では「またポイントって、楽天やヨドバシカメラじゃあるまいし…」「クーポンとかポイントとか好きだよねぇ」と、あまりまともには受け止められていない印象も受ける。
【節電したらポイント還元】政府は、一定の節電をした家庭や企業に対し、電力会社のアプリなどを通じてポイントを付与する新たな支援制度の導入を検討。
クーポンとか、ポイントとかホント大好きだね。楽天市場かよっと…。 pic.twitter.com/XZWZZJYDWN
— Mi2 (@mi2_yes) June 16, 2022
どれだけポイント好きなのだよ
ヨドバシカメラですか?⚡節電家庭にポイント還元 政府検討#Yahooニュース
https://t.co/SYBYBs3HmG— カコルド (@GDoofSL4HFprtT0) June 16, 2022
さらに小沢一郎氏のツイッターからは「ちまちまして、それで大した効果はない」「重点を置くべきポイントがずれている」と断ずる意見が、また細野豪志氏も「やるなとは言わないが本質的な解決策ではないな…」とツイートするなど、野党側からもその効果のほどを疑問視する声が続出しているといった状況だ。
政府 “一定の節電の家庭や企業にポイント還元” 新制度導入へ | NHK
自民党政権は次から次に馬鹿馬鹿しいことに税金を使う。ちまちまして、それで大した効果はない。また、巨額の税金を中抜きする事務手続き業者利権が発生するだろう。重点を置くべきポイントがずれている。 https://t.co/nZJ836xpcX
— 小沢一郎(事務所) (@ozawa_jimusho) June 16, 2022
節電した家庭や企業にポイント還元の新制度導入か。やるなとは言わないが本質的な解決策ではないな… https://t.co/CkyOHBLC1e
— 細野豪志 (@hosono_54) June 16, 2022
「馬鹿馬鹿しい」節電を忌避する声も
いっぽうで、今回の報道のなかにあった「前年より節電した家庭などにポイントを還元」という、政府が検討する具体的なプランに関しては、去年以降から生活のなかで節電に励んでいた人にとって、逆に不利になるシステムなのではということで、多くの異論が飛び交っているところ。
【節電家庭にポイント還元 政府検討】
前年より節電した家庭などにポイントを還元することを想定している。
なんだかなぁ…節電協力を今迄していた家庭はこれ以上出来ないくらい節電してるかもよ。なのに前年より節電した家庭対象とか根本的にずれてると思うんだけど。 https://t.co/KGFGU29OJL— ハテナハテナ (@Rjg3MTjDINpdocb) June 16, 2022
節電家庭にポイント還元 政府検討 2022年6月16日 https://t.co/LXa9rnRNtS
これヤフコメの中にもあったんだけど、日頃無駄に電気使いまくってる家庭は、それを止めるだけでポイント貰えて、普段からめっちゃ節約してる家庭は何の利益もねえじゃん
— スピっぴ(っ ‘ ᵕ ‘ c) (@zachota) June 16, 2022
そもそも昨今懸念されている電力不足に関しては、ロシアによるウクライナ侵攻の影響でLNG(液化天然ガス)など燃料の調達が不透明になっていることや、今年3月に東北地方で起こった最大震度6強の地震で発電所が損傷したことなどが、その原因として挙げられることが多い。
ただ、それと同様に取沙汰されているのが、再生可能エネルギーにあまりに偏重しすぎた無計画なエネルギー政策が、今の危機的状況を招いているのではといった見方だ。
要は国民への度々の節電要請は、失政の尻拭いに他ならないのではということなのだが、それでも多くの国民はこれまで生真面目にもそれに応じてきた。ところが、今回のポイント制度はそういった人たちが損をする、要は真面目に節電してきた人ほどバカを見る仕組みになっているようなのだ。
もう節電した所で使うやつは使うし、乗り越えられたら結局電力供給にテコ入れしようって声上がらないから、もう電気ガンガン使って停電させてわからせようぜ!!
— 爆裂海鼠博士 (@bakuretu_namako) June 16, 2022
みんな真面目に節電するのかなぁ。
私はもう一昨日のアレ見て馬鹿馬鹿しくなったわ。学者は言うだけ。国も無為無策。誰も責任取らない。また頑張るのであろう旧一電には申し訳ないけどね…— ティルソデモリーナ(Estación de metro línea 1) (@presa_de_tierra) June 15, 2022
節電したらポイント付与とか、、、節電しません!!
— KmioN@AoE4ProCBT (@kmio_n) June 16, 2022
電力不足の問題に対しての抜本的な政策を打ち出すことなく、ただただ国民に節電を押し付けるばかりの政府。SNS上の一部からは「馬鹿馬鹿しい」「もう電気ガンガン使って停電させてわからせようぜ」などといった、節電を忌避する意見までも飛び出している状況だ。
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