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コアCPIの上昇が止まったのは消費増税が主因とは言えず=久保田博幸

コアCPIの上昇が止まったのは消費増税が主因とは言えない

たしかに大きなトレンドとしては似通ったかたちにはなっている。特に2014年4月の消費増税を期に消費も物価も落ち込んでいることが読み取れる。

ただし、これで消費増税によって物価の上昇が削がれたと結論づけることはできない

過去の動向をみると2008年に入ったあたりからコアCPIが大きく上昇したが、消費はこのあたりからむしろ落ち込んでいる。これはこのときの物価上昇が原油価格の大幅上昇によるもので、むしろこれが消費にブレーキを掛けていた可能性がある。

さらに2011年3月に個人消費が大きく落ち込んでいた。これは東日本大震災による影響であろうが、コアCPIはそれにほとんど影響を受けていない。

そして問題の2014年4月にかけての個人消費の急上昇後の急低下は、まさに消費増税前の駆け込み需要があったことを示すものと言える。それが物価にも影響を与えてコアCPIも2014年4月に前年比プラス1.5%から上昇幅を減少させることになったと言えなくもない。

たしかに個人消費の低迷が直撃した部分はあろうが、個人消費そのものは大きく落ち込んだあとやや回復し、しかも水準そのものはコアCPIほどの落ち込みではない。

コアCPIが2014年4月に向けて上昇していたのは、アベノミクスをきっかけとした急激な円安株高の影響、原油価格の高止まり、そこに消費増税に絡んだ駆け込み需要と、消費増税と円安で値上げしやすい環境となっていたことなどが要因ではなかろうか。

このグラフを見る限り、コアCPIの上昇が止まったのは消費増税が主因とは言えない。参考までに2013年4月から日銀は大量に国債を購入するになどの異次元緩和を続けているが、これが個人消費に何かしらの影響を及ぼしているようにも思えないのだが。

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牛さん熊さんの本日の債券』2016年5月16日号より
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