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GoTo改め「全国旅行支援」突如開始に。円安目当てのインバウンド殺到前にお得に泊まれる最後の機会との見方も、結局利用するのは高所得者層だけか

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政府が「GoToトラベル」に代わる観光需要喚起策である「全国旅行支援」を、早ければ月内に開始する方向で調整に入ったと各メディアが報じている。

報道によると、9月下旬の3連休明けから年末までを支援対象とする案が浮上しているとのこと。都道府県がすでに行っている「県民割」を広げる形で、代金割引とクーポン配布を合わせ1人1泊当たり最大1万1,000円を支援する計画だが、実施可否や期間は都道府県が決めるため、全国一斉スタートとはならない可能性があるという。

いっぽうで、新型コロナの水際対策も緩和される模様で、1日当たり5万人の入国者数上限を10月にも撤廃する方向で調整しているとのこと。政府は円安のメリットを生かして訪日客を呼び込みたい考えで、早ければ来週に再緩和の可否を判断するという。

インバウンド復活前にお得に泊まれる最後のチャンス？

ここに来て大いに注目を集める格好となっている全国旅行支援だが、今年の春ごろに取沙汰された「ワクワクイベント」に続き、本来なら冠せられるはずだった「GoTo」の名が今回も外される形に。

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なぜか「GoTo」というワードを黒歴史のように扱いたがる政府なのだが、ことGoToトラベルに関しては様々な批判の声はあったものの、2020年7～12月には延べ8,781万人がこの制度を利用し、旅行会社はもちろん宿泊施設やその周辺の飲食店などにも一定の恩恵が。

コロナ感染の再拡大で中断したGoToトラベルだが、再開されれば3.8兆円もの景気浮揚効果があるとの試算もかねてからあがっており、観光関連産業の間ではどの復活を待ち望む声も大きかったようだ。

いっぽうで、全国旅行支援を利用する側からも「本当に旅行がしやすくなって嬉しい」と、旅好きの間からは好意的に受け止められている模様。

さらに先述の通り、全国旅行支援とともに水際対策の緩和で外国人観光客を本格的に受け入れようという動きもあるため、ホテルの宿泊料金が今後高騰する可能性が大ということで、「庶民が現実的な金額で国内旅行を楽しめるのは、当面はこの秋が最後」といった見方も浮上するなど、もし実際に全国旅行支援が始まれば、利用する気マンマンという向きも多いようである。

結局は高額所得層しか利用しないとの見方も

しかしながら、昨今は急激な物価高騰もあり、日々の支出を極力抑えようといった動きもみられるところ。旅行などのレジャーに費やす金の余裕などないということで、「値上げ値上げで苦しめられ、給付支援も無い世帯に旅行する余裕があるとでも？」「こんな時に旅行なんてしよう思わないわ」などといった反発の声も、当然のように聞こえてくる。

先のGoToトラベルも、今から考えればかなり厳格な自粛を強いられていた直後に実施されたこともあり、とにかく久しぶりの旅行や外出で解放感を味わいたいということで、幅広く持て囃されたといった一面も。ただ今回は、お得に旅ができるのは同じとはいえ、世の中が旅などのレジャーを希求するような空気なのかというと、物価情勢も先行きがみえないということもあり、必ずしもそうではないのが正直なところだろう。

ゆえに実際のところは、こんなご時世でもお金の余裕があるような高所得層に、主に利用が限定されることとなりそうな今回の全国旅行支援。振り返れば先のGoTo トラベルの際も、より割引額が多くなる高額帯の高級旅館・ホテルにその利用が偏り、中小・零細規模の宿泊施設には同制度による支援が十分に行き届かなかったことが問題視されたが、今回も同じような傾向に、あるいはそれがより顕著になる可能性も無きにしも非ずといった状況なのだ。

SNS上には、そもそも生活に余裕のある人たちなら、お得な制度が無くても旅行をするだろうといった見方もあるなど、制度そのものの意義を疑う声も少なくないところ。さらに、9月の連休にどうしても間に合わせたかったのか、このタイミングで月内開始を目指すと言っている点に対しても「現場が大混乱になるだけ」といった困惑の声もあがる。

ネーミングこそ改められたものの、受け入れ側の混乱の発生にくわえ、高所得層や大資本の宿泊施設ばかりが得をするという面では、前回と全く変わらなそう……そんな推測も広がっている全国旅行支援。今年3月には、GoToトラベル事業の事業予算は計2兆6,400億円にのぼるとの報道もあったが、それだけの予算があれば他にするべきことがあるだろう、というのが多くの人々の見方のようだ。

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