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「おもてなし」の日本はどこへ?“企業優遇”政策でサービス低下、大企業がお金を溜め込み政府も消費者もずっと貧乏のまま=角野實

世界経済の回復はまだまだ先

読者のみなさんは、私がそれ以前から「インフレを警戒した方がいいよ」と言っていたのをご存じのように、ウクラウイナ侵攻でインフレが起こったのではありません。アメリカが緩和をし過ぎたから、インフレが起こったのです。ロシアはスパイス程度のことです(笑)。

その根幹をすり替えて、プーチンが悪いと騒いでいるバイデンはアホ、ということにしかならないのが私の見方です。お前が悪いことを他人の所為にするな、と小学生への説教をしておきます(笑)。

結果として、とくに欧州などはインフレを極度に警戒しますので、本来ならまだ緩和を拡大しなければいけないものを反対に、縮小してしまっているのですから、まだ本来の体力が戻っていないのに緩和の縮小をしてしまっているので、世界経済が回復するわけがない、というのが私の見立てです。

「日本は買い」

日本は、そういった中で、本来は緩和を継続しなければいけない時期に緩和を拡大しているのですから、正しい治療法を行っているのです。

だから、私は「日本を買いだよ」と言っているのですが、世界全体の波に今は飲まれている状態であろう、と分析しています。

しかし、国内の企業に冒頭の状況をみて投資できる対象がそれほど多くなく、債券は投資魅力がゼロの状態です。だから、海外に投資家は向かうのでしょうね、と思います。結果の円安です。

今後の展開

0.75%の利上げは異常なこととメディアは騒いでいますが、おそらくこの利上げを継続しても、インフレは終わらないと考えています。

理由は明快で、商品相場や半導体などの価格は最終的には何度もお話ししているように同じ価格になるからです。

ドルが高くなって、原油価格は120ドルなどという価格は解消されましたが、たとえば日本は円安に30%もなっているのですから、現在の80ドルの3割増しの価格なのです。ユーロも15%売られていますので、15%増しのユーロ建て価格なのです。

日本とユーロのエネルギー価格が高ければ、最終的にはドル高によって表面上は下がっているように見える米国原油価格ですが、実質のドルは20%上昇していますので、20%増しの80ドルであっても以前の96ドルということになるのです。

今回の米国のインフレ対策は、米国だけが助かる道筋であり、日本やユーロは苦しむ形になります。インフレを解消するためには、ユーロも円も通貨高にしないといけないのです。おそらく、金融危機の対処と同じで、また、アメリカが助かる道をみつけてそのほかはそのあとという金融政策を推し進めることでG7は一致しているのでしょう。

でも、下がりませんよね。ドル以外を通貨高にすれば、アメリカのドル建てエネルギー価格が上昇して、元の木阿弥になるのでしょう。

Next: 利上げしてもインフレは止まらない。根本的な解決方法は?

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