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電気自動車でも日本勢が覇権を握る理由。動力装置「eアクスル」で急成長する日本企業5社とは?=田嶋智太郎

三井ハイテック<6966>

金型の超精密加工技術が強みの独立系電気機器メーカーで、足元は世界シェア7割の車載用モーターコアが北米を軸に好調続く。

トヨタを主要顧客とするHV・EV向けがもモーターコアを牽引するが、省エネ家電用も伸びる。

半導体のリードフレームを軸とする電子部品事業も旺盛な半導体需要が追い風となっており、今期も大幅増益見通し。

23年3月期は、2Q発表時に大幅な上方修正を行っており、売上高が前期比30.5%増の1,820億円、営業利益は同67.1%増の250億円、純利益は同63.0%増の192億円と過去最高を更新する見通し。

三井ハイテック<6966> 日足(SBI証券提供)

三井ハイテック<6966> 日足(SBI証券提供)

株価は、20年12月安値(=936円)から今年4月高値(=1万2,880円)までの大幅上昇に対する半値押しの水準で9月に下げ止まって切り返してきている。

住友ベークライト<4203>

住友化学傘下の樹脂加工大手で、半導体向け封止材料では世界首位に君臨する。

これまで培った技術を生かし、同社は世界初の「樹脂化eアクスル」を開発。同製品は、NEDOの2021年度「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に採択された。同社の公式HPに、同製品の特性などを詳細に紹介する動画がアップされているので、ぜひ参照されたい。

樹脂製であることから、放熱性が高く、小型・軽量、低振動・低騒音などによって高効率で省エネ効果の高いeアクスルを実現することが可能となっている。

足元は、感光性ウェハーコート用液状樹脂などの半導体関連材料の好調に加えて、航空機内装部品が旅客需要の回復で伸びる。

医療機器やバイオ関連も好調で、今期の純利益は前期比14.8%増の210億円と過去最高を更新する見通し。

住友ベークライト<4203> 日足(SBI証券提供)

住友ベークライト<4203> 日足(SBI証券提供)

株価は、コロナショック時の安値(=1,811円)から今年1月高値(=6,140円)までの上昇に対する半値押しの水準で9月に下げ止まって切り返してきている。

足元の水準は、予想PER=9.8倍、実績PBR=0.81倍、予想配当利回り=2.74%と割安圏にある。

IJTT<7315>

いすゞ自動車の子会社で、いすゞ自動車への売上高が全体の約6割。

主力製品である産業・建設機械用エンジンは主要部品の粗材調達から加工、組立まで一貫生産する。

7月にEV商用車用『eアクスル』の専用ラインを設置し、量産を開始。

商用車向けは乗用車向けと比べてモーターのトルクや出力が大きく、用途によっても細かな対応が必要。

同社は、商用車向けeアクスルに特化して差別化を目指しながら、営業と開発の両部門が連携して商用車メーカーの要求に応える体制を整える。

足元は、国内のトラック向け鋳・鍛造部品が後半にかけ伸長し、タイもいすゞのピックアップ向け好調続く。

結果、23年3月期は売上高が前期比7.4%増の1,550億円、営業利益は同39.7%増の46億円、純利益は同9.6%増の31億円を見込んでいる。

IJTT<7315> 日足(SBI証券提供)

IJTT<7315> 日足(SBI証券提供)

株価は、500円前後の水準が当面の底値として意識されやすいと見られ、週足のMACDで見るとちょうどゼロライン前後の水準に位置している。

Next: 日立とホンダが接近?イーアクスル需要で成長が見込める企業

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