グローバル化で成長が止まった日本
日本経済は中国やロシアがない世界ですでに今とほぼ同じ規模に到達していた。
その後の低成長の理由を少子高齢化や労働人口の減少とするのは論理的ではない。労働者が本当に不足しているのならば、労働者は希少価値を持つことになり、労働者の待遇が改善するはずだからだ。
ところが、実際には非正規雇用が増え続け、賃金は低迷し、残業なしには生活もできない人々が増え続けている。これはグローバル化によって産業の空洞化が起こり、日本に労働力の余剰が生じたことを示唆している。
グローバル化がもたらした世界経済の高成長時代に、日本経済は縮小均衡でいたが、その中でも貧富格差は拡大したので、一般の日本人の生活は絶対的に貧しくなっただけでなく、相対的には大きく諸外国に抜かれ、取り残されることになったのだ。
もっとも、円建て見た日本経済の事実上のピークが1997年であったように、日本経済停滞の原因をグローバル化だけに求めるのは無理がある。私は消費税導入を伴う1989年度の税制改革が日本経済に最も大きな悪影響を与えたと見なしている。
※参考:『日本が幸せになれるシステム・65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方』(著:矢口新)
いずれにせよ、日本がグローバル化の崩壊を過度に恐れる必要はないのではないか?むしろ日本復活のきっかけに変えることができないだろうか?
グローバル化の崩壊は大チャンス。日本は才能にあふれている
世界が分断化されるのならば、食料の安全保障、エネルギーの安全保障を真剣に考えて、自給化を進める必要が出てくる。また、サプライチェーンの充実も求められるようになる。
日本人や日本企業は、それらの新たな、そして大きな需要に十分に応えられるのではないか?
日本には、世界の国々と比較して、十分な個人の金融資産、銀行預金残高、企業の内部留保がある。円安も追い風にできる。そして、優秀な人材だ。
私は、世界のトップ企業に勤めている人やノーベル経済学賞受賞者、MITの教授とも仕事をしたが、日本人の能力が劣ると感じたことは一度もない。
また、特に感じるのは一般的な日本人の実務能力の高さだ。一流大学の大学院卒や東大卒の日本人と、大学に進まなかった日本人の実務的な能力差をほとんど感じないというところだ。
グローバル化の崩壊は、日本にとっては大チャンスかも知れない。一方、グローバル化でも衰退し、その崩壊でも衰退では哀しすぎる。分断化を何としてでもチャンスに変えねばならない。
そのためには、消費税のように日本経済の足を引っ張るような税制ではなく、1988年までの日本がそうであったような、国民の成長力を信じる税制に戻す必要があるのではないか。 ※2022年12月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
※本記事は、矢口新氏のメルマガ『
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』(2022年12月26日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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