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リーマンショック再来?クレディ・スイス危機の真相と日米株価への影響度=栫井駿介

クレディ・スイスの“ヤバさ”

これまで触れてきたように、クレディ・スイスの取引は、ヘッジファンドや反社会的な組織とも行われていて、相対取引であったり信用取引であったりと、財務諸表や開示資料からは読み取ることができないリスクを抱えていた可能性があります。

今、金利の上昇で金融の情勢が大きく変わってきていて、貸出相手が破綻してしまうことも考えられます。

そうなると、貸し倒れなどで巨額の損失が発生してしまうことになります。

これがクレディ・スイスのみの問題であればそこまで大きなリスクとは言えないのですが、例えばクレディ・スイスが幹事会社となって他の金融機関との取引をまとめていたとしたら、クレディ・スイスに連なる金融機関に同様のリスクが生じてきていてもおかしくありません。

つまり、これは金融機関全体の問題、システミック・リスクになってしまっている恐れがあるのです。

2021年3月にはアルケゴス・キャピタルが破綻していて、その時にもクレディ・スイスは巨額の損失を計上しました。

実はこの時に、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーも同じような取引を行っていて、この2社は損失が発生する前にうまく売り逃げられていたに過ぎません。

クレディ・スイスに限った問題ではないということをご理解いただきたいです。

まとめ

  • 自己利益を優先した取引によってリスクが蓄積
  • 市場からは「何かヤバい取引があるのでは」と疑念
  • SVB破綻により懸念が再燃
  • 中銀の措置により急場は逃れるも、不透明な取引懸念は残る
  • 取引の内容次第では、金融機関全体に波及するおそれ

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image by: rblfmr / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年3月18日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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