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ビッグモーター騒動ほか不正続出「損保大手3社」株価下落は買いか?長期投資家が見るべきポイント=佐々木悠

今から損保に投資するのはアリ?ナシ?

いかがでしたでしょうか?

カルテルとビッグモーターの二重苦である損保業界の解説を行いました。最後のまとめとして、今から投資をしていいのかを考えていきたいと思います。

そもそも損害保険のビジネスモデル自体は基本的に安定感があるものです。収入の保険料もストック収益性が高く、安定した収入源となります。

回収した保険料に対して一定の確率で保険金の支払いが発生する、計算の世界です。

しかし、その計算違いだった、が起こり得るのが自然災害などの突発的なリスクです。今回の騒動によってどのようなリスクが出ているのでしょうか?

<割安感が出ているが…>

先ほども述べたように株価は下落しており、損保業界へ投資する魅力の1つである配当利回りは上がっています。クレバーな投資家であれば、買いのチャンスと考えることもできるでしょう。

さらに特に東京海上とSOMPOは海外保険に強みがありますから、国内のドタバタによる業績の変動は限定的、と考えることもできます。これがある意味、論理的に考えた場合だと思います。

しかし、今回の騒動で長期的な影響が出る可能性もあります。例えば、損保業界へのブランド価値の毀損やビジネスモデルの見えない腐敗などが指摘されることも考えられます。

従って、今後は信用の失墜に加え、規制の強化や市場の混乱、手続きの煩雑化などによって損保が事業を行いづらくなる可能性もあるでしょう。投資家としてこの辺りのリスクを考えておくべきです。

<追加の悪材料が出る可能性>

そして目先の最大のリスクは、いま損保業界にメスが入っているという事実です。

開ければびっくり、あんな不正やこんな疑惑が出てくる、そういった可能性がある局面にあると考えます。

従って割安感が出てきたとはいえ、今すぐに投資する必要はないと思います。悪材料が出尽くし、心理的にも論理的にも損保業界の不正が落ち着いた時点で投資することを考えるべきでしょう。


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image by:Bilanol / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年8月10日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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