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なぜ「しまむら」復活?中間決算で過去最高益を叩き出した“2つの改革”とユニクロには真似できない強み=澤田聖陽

宣伝面(プロモーション面)での改革

宣伝面(プロモーション面)での改革としては、一言で言えばテレビCMやポスティングによるチラシ広告を大きく減らし(テレビCMはゼロにすると公表している)、WebチラシやWeb CM、インフルエンサーマーケティングなどのインターネットでのプロモーションに大きく移行したことである。

WebチラシやWeb CMについてであるが、2024年中間期末時点でのしまむらのSNS総会員数は3,463万人となっており、従来テレビCMやポスティングによるチラシなどでコストが大きくかかっていたものを、SNSなどによる配信に移行させていったことによって、大きなコスト削減を実現している。

またインターネット広告はテレビCMやポスティングによるチラシなどと比べて、双方向性メディアであり、ウェブで拡散されるなどの効果も高い。

インフルエンサー広告はコラボ商品の企画と密接に関連している。

しまむらはファッションインフルエンサーとコラボした製品の商品開発を積極的に行っている。

代表的なコラボはインフルエンサーの「プチプラのあや」や「星玲奈」などとのコラボ商品である。「プチプラのあや(ayalilyflowers)」と「星玲奈(reinahoshi1015)」は、それぞれインスタグラムで47.9万人、43.5万人のフォロワー数を有するメガファッションインフルエンサーだ(フォロワー数は10月3日現在)。

このようなインフルエンサーとのコラボ商品を企画することによって、当然インフルエンサーが自身のSNSで拡散して宣伝してくれる。

このようなコラボ商品の強みは、インフルエンサーのファン層が買うため、訴求力が強く、比較的単価の高い商品でも買うということだ。

しまむらの凄いところは、フォロワー数が数十万人以上のメガインフルエンサーだけでなく、フォロワー数1万人〜数万人のインフルエンサーともコラボ商品を企画して販売している点である。

例えば「ゆき(yuki__wear)」インフルエンサーはフォロワー数1.5万人であるが、「FLASH BLUE×YUKI」という形で、しまむらのFLASH BLUEというブランドとコラボしており、売れ行きも好調のようだ。

しまむらは多品種少量販売型のビジネスモデルなので、このような比較的フォロワー数が少ないインフルエンサーともコラボが可能だ。

このビジネスモデルは、ユニクロなどは真似ができない。

ユニクロは少品種大量生産型なので、フォロワー数数十万〜数百万人のメガインフルエンサーとはコラボすることは可能かもしれないが、1万人〜数万人レベルのインフルエンサーとコラボすることは難しいだろう。

Next: ファミリー層以外も取り込み、独自の立ち位置を確立した「しまむら」

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