市場全体に出回る国債量はどのように増えていくのか?
政府はバブル崩壊以降、ずっと市場に国債を供給し続けています。過去、5年の実績では次の通りです。
<市場全体 国債量の推移>
年月 | 兆円 | 増減(前年との比較) |
---|---|---|
201004 | 727 | 49 |
201104 | 755 | 28 |
201204 | 783 | 28 |
201304 | 828 | +45 ★アベノミクス開始 |
201404 | 882 | 54 |
201504 | 911 | 29 |
過去6年間の平均値では約40兆円です。
今後、政府の方も国債残高を毎年40兆円のペースで積み上げていく可能性が高いという前提で、未来を予想します。
<市場全体 国債量の推移【予想】>
年月 | 兆円 |
---|---|
201504 | 911 |
201604 | 951 |
201704 | 991 |
201804 | 1031 |
201904 | 1071 |
202004 | 1111 |
202104 | 1151 |
202204 | 1191 |
202304 | 1231 |
202404 | 1271 |
202504 | 1311 |
202604 | 1351 |
202704 | 1391 |
202804 | 1431 |
202904 | 1471 |
203004 | 1511 |
203104 | 1551 ★ |
203204 | 1591 |
203304 | 1631 |
203404 | 1671 |
203504 | 1711 |
203604 | 1751 |
20年後の2036年に市場全体の国債量は1751兆円になってしまいます。
先程も確認したように、日銀の方は異次元緩和が今のペースで継続すれば、2031年4月(★印の箇所)には1568兆円に達してしまいます。
なんと、日銀の国債保有量が市場全体の国債量を超えてしまいます。
<日銀の国債保有量/市場全体の国債量>
2031年4月:1568/1551 = 101%
ということは、2030年4月から2031年4月の間で、日銀が市場に出回る国債を全て買い取ることになります。
今から15年後の話です。
この状態まで行き着けば、「国債の貨幣化」が完全に実現します。
財政ファイナンスはやり過ぎると、国債が「貨幣」(お金)と同じ意味を持つようになるということです。
とは言うものの、実際には日銀が国債の100%を握ることはないでしょう。
- 政府……売り手
- 金融機関……買い手
- 日銀……買い手
買い手は金融機関と日銀の2者です。
民間の金融機関(銀行・生保等)が国債をまったく持たなくなるのは想像しにくい事態です。財政ファイナンスはどこかで「イカサマ」がバレる可能性が高いのです。