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マック「倍バーガー」累計販売1.5億食を突破。“値上げしすぎ”と文句ばかりの低単価客には無縁なサービスの成功は最高益の達成にも大いに寄与か

日本マクドナルドが「夜マック」限定で提供している「倍バーガー」が、累計販売1.5億食を突破したと報じられている。

2018年3月から開始した、午後5時からのディナー時間帯に提供する「夜マック」。その時間内に提供している「倍バーガー」は、レギュラーメニューのバーガーを対象に、通常価格に100円あるいは200円をプラスすることで、パティが倍になるというもの。

今年で販売開始6周年を迎え、同社が調べたところ、今年3月11日までに累計販売1.5億食を突破したことがわかったとのこと。ちなみに「倍バーガー」の人気メニュートップ3は、上位から「倍ダブルチーズバーガー」「倍ビッグマック」「倍てりやきマックバーガー」の順だという。

懸念された客足も昨年末から増加へ

マクドナルドといえば、ここ近年で大いに取沙汰されているのが、年イチ以上のペースで繰り返されてきた値上げ。

2022年以降だと、同年の3月と9月に値上げを行ったのに続き、翌年の2023年の1月には約8割の品目の価格を値上げしたうえに、同年7月には賃料や人件費などの負担が特に大きい東名阪エリアの一部店舗において値上げを実施。さらに今年に入って早々の1月にも、メニュー全体の約3割に相当する商品の店頭価格を、10~30円値上げしている。

若い学生なども大いに利用するマクドナルドといえば、リーズナブルに食事ができる場所といったイメージも強いだけに、この度重なる値上げに対しては、SNS上でも「安くないならマクドナルドである必要は無い」「それならサイゼリアに行く」などといった批判が渦巻く格好に。

現にマクドナルドの既存店客数を見てみると、2023年2月以降、前年同月比で減少する月が続く事態となり、これを“値上げ続きが故の客離れ”とみる向きも、多かったようなのだ。

【関連】マクドナルド“客離れ”で過去最高益更新?値上げとクーポンのしょぼさに不満の声が続出も、ターゲット層の変化で業績改善へ

しかしながら、今年2月に発表された同社の2023年12月期決算によれば、売上高が3819億8,900万円(前年同期比8.4%増)となったのをはじめ、営業利益は408億7,700万円(20.9%増)、経常利益は407億3,400万円(24.1%増)、また親会社に帰属する当期利益も251億6,300万円(26.2%増)と、各利益で過去最高を更新する結果に。

さらに先述した月ごとの既存店客数のほうも、2023年12月から直近までの3か月間に関しては、増加に転じているようで、いわゆる“客離れ”といった状態も解消されつつあるようなのだ。

高単価路線への切り替えが奏功

マクドナルドの度重なる値上げに関しては、外食業界全体の問題でもある材料費や人件費などのコスト増大に対応して……といった見方が当然されるいっぽうで、ある程度客数が減ったとしても、一人あたりの単価を今後は伸ばしていきたいという戦略に、ここに来て舵を切ったのではないかという推察も多かったところ。

有り体にいえば、値上げのたびに文句タラタラの低単価客はバッサリ切ってしまいたいといった思惑があったのでは……というわけだが、昨年の“客離れ”も指摘されるなかでの業績の絶好調ぶりというのは、まさにその戦略が功を奏する格好となっているようだ。

そんななかで、今回取沙汰されている「倍バーガー」なのだが、いうなれば“お金さえ積めばボリュームを増してあげる”といったサービス。

クーポンやセットメニューなどを駆使して、少しでも安くあげようとする低単価客にとっては、ある意味で縁遠いといえそうな同サービスなのだが、それが発売開始から6年で累計販売1.5億食超えと、一定の支持を得ているということで、これもマクドナルドが狙う“高単価路線への切り替え”が上手くいっていることを示す、ひとつの証左だといえそうである。

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