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大幸薬品 Research Memo(2):2024年12月期業績は営業黒字化の達成を予想

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■今後の見通し

大幸薬品<4574>の2024年12月期通期の業績は、売上高で6,800百万円(前期比11.1%増)、営業利益で410百万円(前期は1,005百万円の損失)、経常利益で360百万円(同1,248百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で550百万円(同3,611百万円の損失)を予想する。医薬品事業が牽引し、前期までの3期連続の赤字計上から回復し、黒字化を達成する予想である。

医薬品事業の売上高は6,194百万円(前期比19.5%増)と増加を予想する。国内では、コロナ禍前の需要を超えて推移する良好な市場動向に加え、他社製品欠品の影響、インバウンド関連需要の回復もプラス要因となる。このような環境の下、これまで整備を進めてきた生産体制強化策を実行に移し、市場への安定供給を行う計画である。また、国内においても出荷価格の見直しによる適正利益の確保を図る予定である。海外では、主力の中国や香港、台湾市場において需要が堅調であり、供給体制を整えるとともに、販売チャネルの拡大・深耕を図る計画である。

感染管理事業の売上高は前期比35.5%減の600百万円を予想する。「クレベリン」の主成分である二酸化塩素の有効性や安全性に関するエビデンス強化によって信頼回復に取り組むことは継続するものの、除菌市場は売上予測が難しい状況が続いていることから、広告宣伝費等のコストコントロールを強化し、収益性の改善を目指す。

売上総利益に関しては、感染管理事業で継続的に発生していた棚卸資産評価損等がおおむね発生しないことが想定でき、売上総利益率は改善する見込みである。販管費に関しては、過去数年間の構造改革によりスリム化しておりコストコントロールを強化しつつ前期に近い水準が見込まれる。結果として、営業利益では前期から1,415百万円改善し、410百万円と黒字化を達成する予想である。弊社では、1) 医薬品事業の供給体制の強化策が実行フェーズに入ること、2) 国内医薬品の値上げ、3) 感染管理事業のコストコントロール強化、4) 構造改革の成果、などの点から黒字化の条件は整っていると評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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