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資産「ゼロで死ぬ」は本当に幸せか?大多数の日本人にとって悲惨な結末を招く理由=鈴木傾城

それに、本当は1,677万円も資産を保有していない世帯も多いわけで、資産が少ない人であればあるほど生きている途中でゼロどころかマイナスになってしまうことも十分にあり得る。

そう考えると、貧困層に「ゼロで死ね」は机上の空論であり、そんなことよりもいかにダウングレードと節約をしなければならないかに焦点を当てなければならないということになる。

貧困層は「今しかできない豊かな体験」なんかを味わっている余裕はない。何とか日々の生活を成り立たせるためにサバイバルしなければならないのだ。

人生を通して一心不乱にカネを貯めておくべきだ

貧困層にとっては「ゼロで死ね」は決して最適解にはなり得ない。いろいろカネがかかって足りなくなるリスクのほうが高いので、人生を通して「いかにゼロから脱するか」を主流にしておかないと生き残れない。

今後、ますます弱肉強食の資本主義になるのだから、この厳しい時代に生き残るためには「ゼロではないこと」が重要な意味を為す。時代が厳しくなればなるほど、「ゼロではないこと」ことが不測の事態を乗り越える武器となる。

そもそも普通の人は、「死んだときにカネが余っていたらもったいない」と考えなければならないほど余計なカネを持てない。そういうシチュエーションは考えなくてもいいのだ。むしろ「途中でカネが足りなくなるかもしれない」ことをリアルに心配すべきだ。

人生は何が起こるのかわからない。突如として病気になるかもしれない。事故に遭うかもしれない。災害に遭うかもしれない。大地震でいろんな大切なものを失うかもしれない。

生きていると、予期せぬ衝撃的なことがいくらでも起きる。

いつ、どれくらいの規模でショッキングなトラブルに巻き込まれるのかわからないのであれば、「とにかく資産は減らさない」という決意が最後に身を助けることになる。普通の人は「ギリギリ」の人のほうが多いのだから当然だ。

だから、あまり余裕をかましたり、死んだときに資産が余ったらどうしようとか無駄なことを考えたりしないで、人生を通して一心不乱にカネを貯めておくべきだ。そうしないと、どのみち足りなくなる可能性が高い。

死ぬ前日まで資産があって金融的安定を保っていたほうが、寿命を計算しながらゼロにしようとするよりずっといい。

Next: 本当に合理的か?寿命と資産がゼロに近づくたびに不安が募っていく…

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