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小林製薬、“紅麹”で株価下落後に急回復…買いの好機か?長期投資のプロが徹底分析

個人投資家に人気

栫井:株価の話に戻りますと、株価が落ちて、急回復しているのですがその要因はどう見ていますか?

佐々木:小林製薬の株主構成を見ると、個人投資家の割合が高いです。

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出典:小林製薬

この下がったタイミングをチャンスだと思って個人投資家が買っているのかなと考えています。実際NISAで買われている銘柄ランキングで4位に入っているくらいなので、やはり個人投資家の注目が集まっているのではないかと思います。

栫井:個人向けの商品を作っている会社なのでなじみも深く、元々個人投資家から人気の銘柄だったと言えるのではないでしょうか。
もっと長期で株価を見たらどのようになっているでしょうか?

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出典:マネックス証券

佐々木:右肩上がりでやってきて、2021年頃をピークに、今は下がってきているという状況です。

栫井:ピークの時にはPER51倍でかなり高かったんですね。なぜここまで人気化したのでしょうか?

佐々木:この時コロナがかなり流行っていた時期だったので、医薬品の需要が高まってそれに伴って小林製薬の株価も上がったんだと思います。

栫井:それでも業績はあまり伸びなかったんですね?

佐々木:この時も業績はおおむね横ばいで、業績には反映されなかったようですね。

栫井:何があっても基本的には跳ねることもないし、落ちることもない会社ということですね。それに対して、グラフ内の平均PERが32倍で、消費財系の安定した企業ってPERが高めの傾向があると考えると、今のPERが20倍ということで昔よりは安くなっているという感覚が私の中ではあります。多くの投資家が過去の数字を見て買いに入っているのかなという印象があります。

真相究明を待つべきか

栫井:佐々木さん的には小林製薬の問題はこの後どう展開していくと思いますか?

佐々木:そうですね、一番はこの問題の因果関係ですね。このサプリメントが本当に悪かったのかという部分の解像度が上がってこないと何とも言えないと思っています。亡くなられた方については、ある程度年齢も高く、その他の病気もあったということなので、小林製薬のサプリメントとの関係性が解明されるにはやはり時間がかかると思いますし、小林製薬が悪かったということになった場合はかなり大変なことになると思います。

栫井:私の経験から言っても、不祥事を起こした銘柄って、落ちたから買うという人たちがけっこういるので、その瞬間上がったりもするんですよ。ただその後問題がより明らかになるにつれて「やっぱりだめだ」と多くの投資家が売って、結果どうしようもないくらいの下落になることがあるので、今出ている情報からすると、今参入するのは危険だと思っています。どうせ買うならもっとボロボロに売られた状況に買った方が中・長期的には面白みがあると思います。短期でのリバウンドを見込むのでなければまだ参入するのは早いかなと。私もかつて不祥事系の銘柄に手を出して、一瞬ぬか喜びしたんですけど、その後大きなニュースが出た時にストップ安になったので、そういう危険性があるということは皆さんにも知っていてほしいです。

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