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アップコン、2025年1月期は営業力強化を行いシェア拡大とウレタンを使用した研究開発で新規市場創出を目指す

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2024年4月26日に発表された、アップコン株式会社2024年1月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

目次

松藤展和氏:こんにちは。アップコン株式会社代表取締役社長の松藤展和です。2024年1月期決算についてご説明します。本日は、スライドに記載の目次に沿ってご説明します。

01. 会社概要 【企業情報】

会社概要です。アップコンは神奈川県川崎市に所在します。2003年6月に設立されました。名古屋証券取引所ネクスト市場に上場しており、証券コードは5075です。現在の従業員数は46名です。

事業概要は土木工事業で、コンクリート床スラブ沈下修正工法(アップコン工法)を用いた工事のほか、ウレタンを使った新技術の研究開発を行っています。現在、国内で10件、海外で9件の特許を取得しています。

01. 会社概要 【基本理念/経営方針】

アップコンの基本理念と経営方針です。基本理念は「健康第一・安全第一・家庭第一」です。経営方針は「スピードと環境を重視した経営を行い、社会貢献度の高い研究・開発型企業となることを目指します」です。

01. 会社概要 【沿革】

沿革です。2022年12月に名古屋証券取引所ネクスト市場に上場しました。2023年6月に創立20周年を迎えました。

01. 会社概要 【事業概要/事業紹介】

事業概要についてご説明します。アップコンは、ウレタン樹脂を使った施工および研究開発で事業展開しています。

スライド右下の図に、「施工」と記載されたオレンジ色の円と、「研究開発」と記載された青色の円があります。アップコンの事業は、沈下修正を行うことです。この沈下修正の事業によって得られた利益の一部を研究開発に投資しています。

研究開発では、新しいウレタン樹脂を開発し、そのウレタン樹脂から新工法を開発して新市場を創出していきます。その新市場でさらに施工を行い利益を上げ、研究開発に投資するというサイクルを持続的に行いながら成長していくビジネスモデルです。

01. 会社概要 【事業概要/アップコン工法とは】

アップコン工法、コンクリート床スラブ沈下修正工法についてご説明します。スライド左側の図は、コンクリートの床がたわんでしまったものです。このたわんだコンクリートの床を右の図のように真っすぐにするのがアップコン工法です。

どのようにして直すかをご説明します。たわんだコンクリートの下の白い部分は空洞です。空洞がない場合もあります。茶色い部分はコンクリートの下の地盤です。

アップコン工法では、ドリルを用いて、コンクリートに1メートルピッチで1円玉よりも小さい直径16ミリの穴を開けていきます。その穴からコンクリートの下の空間、もしくは地盤に直接、特殊なガンで2液性のウレタン樹脂を注入します。

そうすると、コンクリートの下で液体のウレタン樹脂が化学反応によって発泡します。その発泡して膨らむ力を利用してコンクリートを下から押し上げていきます。これにより、たわんでしまったコンクリートが真っすぐになるのです。それを測量機器を使用して1ミリ単位で調節していきます。

アップコン工法 特長

アップコン工法の4つの特長についてご説明します。1つ目は、「短工期」であることです。従来の工法はコンクリート打ち替え工法といい、既存のコンクリートを壊して新しくコンクリートを打ち直す工法です。

一方、アップコン工法はコンクリートを壊す必要がなく、コンクリートに穴を開けて特殊なウレタン樹脂を入れて、下から押し上げる工法です。アップコン工法は、従来の工法の10分の1の工期で施工を完了することができます。

2つ目は、「操業を止めない」です。これは、4つの特長のうちもっとも重要なことだと思います。すべての工場、倉庫、店舗などの建物内には機械、ラック、商品といった物が置かれています。それらを一切動かすことなく、すき間に穴を開けてウレタン樹脂を注入することで修正ができるため、業務を止めることなく施工できます。これはお客さまにとってもっとも価値のあることだと思います。

3つ目は、「高い技術力」です。アップコン工法は下請けを一切使っておらず、当社の正社員である熟練スタッフが責任を持って施工を行っています。

4つ目は、「施工がコンパクト」です。スライドの写真のように、3トンもしくは4トンのトラックで現場に駆けつけます。例えば空港で施工する時は、夜間の飛行機が止まっているほんの数時間で現場に駆けつけ施工を行い、朝、飛行機が飛び立つ前に退散します。それを毎日繰り返すこともできます。

大型のプラントを設置する必要もありません。非常にコンパクトな施工体制で、機動力が高いのです。

01. 会社概要 【事業概要/沈下修正セグメント】

アップコン工法がどのようなところで採用されているか、民間と公共の2つに分けてお話しします。民間事業では工場、倉庫、店舗、住宅、事務所、そして海外での施工も行っています。公共事業では道路、農業用水路トンネル、空港、港湾、学校、自衛隊施設等で行っています。

今回、倉庫を想定した、ウレタン樹脂を使った沈下修正のデモンストレーションを行いました。その動画をご覧ください。

(動画流れる)

今回はウレタン樹脂を使った沈下修正のデモンストレーションをご紹介します。こちらは倉庫のラックの上に荷物が置いてあるイメージです。ところが、よく見ると棚が斜めになっています。水平ではなく、右のほうが下がっているのです。

これは、棚が載っているコンクリートの床の高さが違い、段差ができているためです。床に段差ができている、あるいはたわんでレベル差になっていると想定してみてください。今からこのコンクリートの床下に特殊なウレタン樹脂を注入し、その発泡圧力を使って押し上げていきます。

まず、ウレタンがどのようなものでできているのかをご説明します。私が持っている2つの液体は、右側の黒いほうがイソシアネート、左側がポリオールと呼ばれています。

この2液はどちらも石油製品でできており、この2液が混ざり合って化学反応を起こして膨らみます。その膨らむ時の発泡圧力を利用して、コンクリートを押し上げて床を水平にするのが、ウレタンの沈下修正の原理です。

では実際に、模型にポリオールとイソシアネートを注入してもらいます。左側のコンクリートの下には、実際の地盤のように砕石が敷いてあり、右側の下がっているほうは中が見えるようにコンクリートの代わりにアクリルボードになっています。その下にも砕石があります。

今、スタティックミキサーという注入器の中に、ポリオールとイソシアネートが分離された状態で入っています。この注入器をシュッと打つとスタティックミキサーの中で2液が混ざり合い、アクリルボードの下の砕石層に広がっていきます。

では、注入します。

上からの映像では、液状のウレタンが水平方向にどんどん広がっていく様子がわかると思います。完全に広がった後、横から見るとアクリルボードが下から押し上げられています。ウレタンが発泡しながらボードを押し上げているのです。

そして、右に傾いていたラックも少しずつ上がっていき、水平になっています。随分真っすぐになってきました。実際のコンクリートの下では、このように一気には上げず、ミリ単位で上げていき、最後は上がりすぎないように調整します。

まだ1分くらいしか経っていませんが、発泡はほぼ終わった状態です。ラックもほぼ水平になってきました。まだ下がっているようなら、この後、もう少しウレタンを追加していきます。

これを繰り返して作業を行い、傾いた床を真っすぐにし、傾いていたラックを水平にします。我々はこのようにウレタンを使って沈下修正を行っています。今回のデモンストレーションも成功でした。

(動画終了)

02. 2024年1月期 通期決算概要

2024年1月期通期決算概要をご説明します。売上高は前期比7.1パーセント減の8億5,248万3,000円、営業利益は前期比46.8パーセント減の8,987万8,000円となりました。

配当金については、2024年1月期における業績および利益状況等を勘案し、1株につき10円とする予定です。

02. 2024年1月期 【売上⾼/営業利益の推移】

売上高、営業利益の推移をご説明します。2023年2月1日から2024年1月31日における経営成績は、売上高が前期比7.1パーセント減の8億5,248万3,000円、営業利益は前期比46.8パーセント減の8,987万8,000円となっています。経常利益は前期比47.2パーセント減の9,413万9,000円、当期純利益は前期比41.8パーセント減の6,759万円でした。

予算計画値に未達となった主な原因は、2024年1月1日に発生した能登半島地震の影響による売上高の期ズレ、仕入原価の高騰および材料使用量の増加です。

02. 2024年1月期 【セグメント別売上推移/施工・調査件数推移】

セグメント別売上推移、施工・調査件数推移をご説明します。セグメント別売上高は、民間事業が5億7,791万4,000円、公共事業が2億7,456万8,000円となりました。

今後は、民間事業と公共事業の売上高割合を5対5に持っていきたいと考えています。理由は、閑散期をなくし、年間をとおして安定的な売上高の確保を目指すためです。

施工・調査件数に関しては、名古屋証券取引所のネクスト市場への上場を機に、認知度、知名度が着実に上がっているのを実感しています。今後も東海・関西地区の営業力強化に努め、アップコン工法の認知度、知名度を向上させていきたいと思っています。

02. 2024年1月期 【賃借対照表】

貸借対照表はスライドのとおりです。当事業年度末における資産合計は13億3,448万6,000円となり、前事業年度末に比べ5,837万円減少しました。固定資産は1億1,504万9,000円となり、前事業年度末に比べ4,091万9,000円増加しました。これは主に、投資有価証券の増加3,071万円、機械・運搬具の増加929万6,000円等によるものです。

当事業年度末における負債合計は4,527万4,000円となり、前事業年度末に比べ1億1,668万3,000円減少しました。これは主に、未払法人等の減少7,262万2,000円、未払消費税等の減少2,606万6,000円、および工事未払金の減少2,010万円等によるものです。

当事業年度末における純資産合計は12億8,921万2,000円となり、前事業年度末に比べ5,831万2,000円増加しました。これは主に、当期純利益6,759万円の計上による利益剰余金の増加、その他有価証券評価差額金の増加533万8,000円、および株主配当金の支払いによる減少2,099万1,000円等によるものです。

02. 2024年1月期 【トピックス①】

2024年1月期の主なトピックスをご紹介します。1つ目に、川崎水族館にて創立20周年式典を開催しました。アップコンは2023年6月18日に創立20周年を迎え、川崎水族館に約100名のお客さまをご招待して創立記念式典を開催することができました。

2つ目に、一般社団法人防衛施設学会「防衛施設学会賞ミリタリーエンジニアテクノフェア賞」を受賞しました。「ミリタリーエンジニアテクノフェア」における技術展示・発表会等をきっかけとして、受注実績につながっていることも評価され受賞に至りました。

02. 2024年1月期 【トピックス②】

3つ目に、2023年9月にアップコンの英語版Webサイトをオープンしました。

4つ目に、2023年9月8日・9日の2日間、名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)にて開催された「名証IR EXPO 2023」に初出展しました。今年も出展する予定です。

03. 成長戦略

成長戦略についてご説明します。アップコンの成長戦略は3つあります。1つ目はシェア拡大、2つ目は新市場創出、3つ目はグローバル展開です。

03. 成長戦略 【シェア拡大/事業重点エリア】

1つ目のシェア拡大についてです。名古屋証券取引所への上場を機に、中部地方、近畿地方を重点エリアとして広報宣伝活動に力を入れ、事業を拡大していきたいと考えています。

03. 成長戦略 【第22期の取り組み】

第22期の取り組みについて一部をご説明します。1つ目は営業部員の増員です。営業力強化のため、営業人員を3名増員します。2つ目は、デジタルマーケティングの強化です。3つ目に、現地調査を無料で行う調査無料キャンペーンを実施します。4つ目に、新規リード獲得に向け、展示会出展を増やします。5つ目に、認知度・知名度向上を目的とした新聞・雑誌広告の出稿を行います。

これらを行うことによって、事業重点エリアにおけるシェア拡大に努めたいと思っています。

03. 成長戦略 【新市場創出/研究開発プロジェクト】

成長戦略の2つ目は、新市場創出です。アップコンでは現在、5つの研究開発プロジェクトが進行中です。これらの研究開発から早期事業化を目指します。

03. 成長戦略 【研究開発プロジェクト】

昨年まで研究開発であった、緑化プロジェクトについて簡単にご説明します。ウレタン製基盤材「テラタン」を開発し、昨年、応援購入サービス「Makuake」にてテスト販売を実施しました。また、川崎水族館でワークショップ等を行っており、今後も「テラタン」を広めていきたいと思っています。

03. 成長戦略 【グローバル展開】

成長戦略の3つ目はグローバル展開です。2019年12月にベトナム・ハノイにあるLac Viet社とノウハウライセンス契約を締結しました。その後、ハノイで何件かの施工を行っています。今後は、ベトナムの北部を中心としながら南部へも展開し、さらなるグローバル展開を図りたいと思っています。

04. 2025年1月期業績予想(1)

2025年1月期業績予想についてご説明します。2025年1月期の予算計画は、大手企業の設備投資の増加、および日本経済の安定的な成長が見込まれると予想し、当初の中期計画どおり売上高を9億6,500万円、営業利益を1億6,400万円とします。

04. 2025年1月期業績予想(2)

経常利益は1億6,600万円、当期純利益は1億150万円とします。

04. 2025年1月期業績予想(3)

キャッシュフロー予測です。現預金残高は10億500万円、営業キャッシュフローは1億9,900万円、投資キャッシュフローはマイナス2,000万円、財務キャッシュフローはマイナス5,000万円と予測しています。

04. 2025年1月期業績予想 【トピックス】

最後に、2025年1月期の現在までの主なトピックスをご紹介します。

1つ目に、大型案件を受注しました。2024年2月1日に適時開示しているとおり、民間工事に関する大型案件を受注しました。2025年1月期第1四半期の売上高に計上見込みです。

2つ目に、令和6年能登半島地震における復旧緊急対応工事を行っています。当社ではコンクリートの床や道路・港湾施設などのコンクリート舗装版に生じた段差の解消・空隙・空洞の充填など、復旧・緊急のご相談に対応しています。

以上をもちまして、アップコン株式会社2024年1月期の決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。

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