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シンカ、企業の業務効率化を実現するコミュニケーションDXサービス「カイクラ」を展開

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2024年3月27日に発表された、株式会社シンカ2023年12月期成長可能性資料説明の内容を書き起こしでお伝えします。

Index

江尻高宏氏:株式会社シンカ代表取締役社長の江尻です。それでは、当社事業計画及び成長可能性の資料に関してご説明します。

本日のアジェンダです。こちらの順番でご説明していきます。

経営理念:ITで世界をもっとおもしろく

はじめに経営理念です。当社の経営理念は、「ITで世界をもっとおもしろく」としています。我々はIT企業ですので、「ITを使って世の中をおもしろくしようよ」「他の誰かがやってくれるのではなく、我々が世界をおもしろくするんだ」という思いを持って、ビジネスを展開しております。

ビジネスへの想い

「ビジネスへの想い」として、なぜ私がこのビジネスに取り組んでいるのかについてお話しします。

もともと、私はシンクタンク時代にコールセンターのシステムであるCTI(Computer Telephony Integration)の開発に携わっており、製品をお客さまに納品した時に、お客さまの業務が大きく効率化したということを体験しました。CTIは電話をデジタル化したものですが、コミュニケーションをデジタル化することで、これほどまでに効率化が進むのかと非常に驚きました。

ただし、CTIのシステムは非常に高価であり、世の中になかなか普及していませんでした。当時、私が参画したプロジェクトも4億円から5億円を費やすものでしたし、CTIの格安のパッケージソフトでも数百万円しましたので、中小企業が簡単に導入できるようなシステムではありませんでした。

その後私は経営コンサルティング会社に転職し、全国の中小企業の現場に触れる機会があったのですが、その業務が非常にアナログであることに衝撃を受けました。さまざまな業務がアナログ作業であるために、社員のみなさまはがんばって働いているものの、なかなか楽になりません。

特に、コミュニケーションの方法はアナログが多いため、発注や受注などを電話で行う際に「言った」「言わない」のトラブルが起きたり、新人が電話対応をするとトラブルになったりするケースが頻発していました。

トラブルへのクレーム処理に時間を取られて、結局生産性が上がらないという現状を目の当たりにして、「このままではいけない。やはりITを導入して、もっと効率化していかなければみなさまが楽にならない」と痛感しました。

こうしたコミュニケーションに関するトラブルをなくすため、コミュニケーションをデジタル化することを考えました。これによりみなさまが楽になるのではないかと思ったのです。

特に電話に関するトラブルは多いため、このトラブルをなくすためにも、電話をデジタル化するCTIの仕組みを取り入れた、コミュニケーション全般をデジタル化するようなサービスがあれば、みなさまが喜んでくれるのではないか、より生産性が上がりハッピーになるのではないかという想いがあり、今回クラウドサービスの「カイクラ」を開発しました。

業績ハイライト 売上⾼と営業損益

業績ハイライトです。売上は右肩上がりで推移しています。営業損益については、これまで投資フェーズだったことから赤字が続いていましたが、2023年度には黒字に転換し、売上が10億円を超え、営業利益が1億円を超えました。現在は収益フェーズに入ったと考えられるため、今後は黒字を維持していきたいと思います。

KPIハイライト

続いてKPIハイライトです。スライド左上からご説明します。

売上は2023年12月期で10億円を超えました。CAGRは44パーセント、MRR合計は8億8,600万円です。営業利益は1億円を超えました。

「カイクラ」のアクティブユーザー拠点数(解約は除く)は、2023年12月末時点で4,508拠点、「カイクラ」の月次解約率は0.33パーセントと非常に低い数字で推移しています。

会社概要

会社概要です。設立は2014年1月8日ですので、今年1月でちょうど10周年となりました。今年から新たな10年を歩み始めたところです。

会社概要

Mission・Vision・Valueはスライドのとおり、コミュニケーションに関するものを掲げています。

カイクラとは 〜会話をクラウドでおもしろく!~

ここからはビジネスのお話に入っていきたいと思います。我々が提供しているのは「カイクラ」というクラウドサービスです。創業時から「カイクラ」1本で事業に取り組んでおり、企画・開発から販売・運用までを自社で行っています。

「カイクラ」は「会話をクラウドでおもしろく!」をコンセプトにしており、「会話クラウド」を略して「カイクラ」という名称にしています。顧客対応を上質にするコミュニケーションDXサービスになります。

カイクラのイメージ図

より具体的なイメージを持っていただくために、スライドの図でご説明します。「カイクラ」を利用されている企業や店舗といった「カイクラ」ユーザーは、お客さまと携帯電話や固定電話、ビデオ通話、メール、SMSなど、さまざまな手段でコミュニケーションを行っています。

こうしたさまざまなコミュニケーション手段により非常に効率化が進みましたが、ここには1つだけデメリットがあります。それは、履歴がバラバラで情報が管理されておらず、業務に活かされていない点です。

例えば、携帯電話や固定電話で話すとそれぞれの電話機に履歴が残り、メールを送るとパソコンに履歴が残ります。ツールごとに履歴がバラバラになり、誰がどのようなコミュニケーションを取ったのかがまったく管理されていないのです。

そのため、同じ顧客に対して別々の担当者から同じ内容の連絡をしてしまい、その顧客から「何回同じことを言わせるのか」とクレームが来ます。また、ある担当者が電話をかけて顧客につながらなかった場合、相手から折り返し電話がかかってきても誰が電話をかけたかわからないために、「〇〇さんに電話した人はいますか?」とオフィス内で叫んだりしていました。中小企業ではこのようなことが起こります。

これは非常に非効率です。なぜこのようなことが起こるかといえば、コミュニケーションの履歴がバラバラで管理されておらず、これらを活用できていないためです。

「カイクラ」はこのような問題を解決するサービスです。携帯電話や固定電話で話すといった従来どおりのコミュニケーションをとっていただければ、「カイクラ」はその履歴を自動的に記録し、整理します。その上、顧客ごと、時系列ごとにコミュニケーション履歴を一元管理しています。そのため、「カイクラ」さえ見れば、誰が、いつ、どのような手段で、どのようなコミュニケーションをとったかがわかります。

例えば、顧客から店舗に電話がかかってくると、その顧客がどのような方かといった情報がパソコンなどに自動でポップアップされます。「これまでこのような商品を買ってくれたお客さまだ」と情報を知った上で電話をとれるため、「〇〇さん、いつもお世話になっております」と気持ちの良い電話対応ができます。

また、クレームの電話がかかってきた時にも、「これは少し気をつけなければいけないお客さまだ」と心の準備をしてから電話をとることができ、それだけでもストレスの度合いがまったく変わってきます。このように、情報を理解した上でコミュニケーションを取ることが可能になります。

カイクラの3つの導⼊効果

「カイクラ」の3つの導入効果をご紹介します。1つ目は顧客対応の効率化です。コミュニケーションコストを圧縮して無駄を省ける上、さまざまなトラブルをなくせるため効率化が進みます。

2つ目はCS(顧客満足度)向上です。「〇〇さん、いつもありがとうございます」と非常に気持ちの良いおもてなし対応ができるようになり、顧客満足度が上がります。

3つ目がES(従業員満足度)向上です。先ほどお話ししたようなクレーム電話がかかってきた時も、心の準備ができるなどストレスをかなり軽減できることから、従業員満足度向上につながります。

カイクラ活⽤のイメージ

「カイクラ」の活用イメージについて、ここで私が実際にデモンストレーションを行いたいと思います。

私がこちらのスライドで示す顧客役になり、実際に当社オフィスへ電話をかけます。そうしますと、スライドを投影しているパソコン画面に、誰から電話がかかってきたかがポップアップされます。

(オフィスへ架電)

画面右下をご覧ください。今、当社の電話を鳴らしていますが、パソコン画面の右下に私の名前と当社の営業担当者名が出てきました。電話を取る方はこちらの部分をクリックすることで、より詳細な情報がPC画面にポップアップされます。

ご覧のように、私の携帯電話番号と名前、住所、営業担当者名が確認できます。加えて、こちらは車のディーラーが顧客である場合をイメージして作成したデータになりますので、乗っている車種、車検や保険の状況などの情報がわかります。

このような情報が電話をとる前にわかるため、「〇〇さん、こんにちは。弊社の営業担当はxxですね。少々お待ちください」とスムーズにつなげることができます。

また、担当者本人が店舗にいれば、「私のお客さまなので私がとります」と電話を取り、「〇〇さん、こんにちは、xxです」と直接対応することができ、取り次ぐ手間も解消できます。

業務効率化に加え、気持ちの良いコミュニケーションが取れるためお客さまの満足度も上がります。また、電話自体が楽しくなるためストレスも減らせます。

(「カイクラ 会話履歴」画面へ遷移)

続いて、「カイクラ」の特徴の1つである、コミュニケーション履歴を一元管理しているところを、具体的にお見せしたいと思います。

画面を見ていただくと、電話の「着信」「発信」以外に「ビデオ通話」「SMS」などの履歴があります。こちら(「SMS」ボタン)をクリックすると、SMSでビデオ通話のURLを送り、そのままビデオ通話を行ったことがわかります。

また、条件を設定して検索もできます。例えば「携帯着信」「携帯発信」「メール受信」「メール送信」「LINE」を選択します。from toで日付も設定して検索すると、この期間において、先ほど設定したコミュニケーションがあれば出てきます。

ここで、「携帯着信」「携帯発信」の履歴が出てきました。NTTドコモ、ソフトバンクなどの社用携帯でのやり取りも、このように「カイクラ」が自動的に記録します。ここでは、加藤さんから「自番号」とある社用携帯に着信がありました。携帯発信の履歴では、自番号から顧客情報にある番号にかけています。このように、携帯の発着信の履歴もずっと残っています。

「LINE」と記載のある部分は、「LINE WORKS」でのやり取りです。中身を見てみると、このように会話しており、「LINE WORKS」でのやり取りも「カイクラ」内でわかります。携帯でやり取りすると携帯だけに履歴が残りますが、「カイクラ」を使えばパソコンからやり取りを見ることができます。

こちらには「メール受信」「メール送信」とあります。メール受信は岡本さんから受信しており、メール送信では中野さんに送信しています。内容はクリックするとわかります。中野さんに対してのメールは、「From」に記載の社員のメールアドレスから送っています。内容を見ると「テスト」と送っています。

このように、今までどおりパソコンから「Gmail」や「Microsoft Outlook」を使ってメールを送ると、「カイクラ」がバックで情報収集し、一元管理できます。すなわち「カイクラ」さえ見れば、誰がどのようなコミュニケーションをとったかがすべてわかるということです。

固定電話や携帯電話などの音声のやり取りは、すべて録音しています。お聞きください。

(再生ボタンを押下。通話音声流れる)

さらに録音だけでなく、それをテキスト化できます。

(テキスト化ボタンを押下。通話音声のテキストデータが表示される)

このように、テキストを見ることにより、音声を毎回聞かなくても、どのような会話をしているかがわかります。

さらにそれを「ChatGPT」で要約することができます。「テキスト+要約」というボタンをクリックし、「はい」を押すと、「ChatGPT」から「AI要約が完了しました」とメッセージが返信され、「テキスト+要約」のボタンの色が変わります。

このボタンをクリックすると、左側には先ほどの会話のテキスト化データが、右側には「ChatGPT」が要約した文章が出ています。「田邉さんがこのようなことを話しています」といったかたちで、きれいに要約されました。

また、要約をコピーして、田邉さんにチェックを入れ、「SMS送信」のボタンを押すと、田邉さんの携帯電話が送信先に入っています。先ほどコピーしたものを貼り付けて送信すると、電話の議事録のように送ることもできます。

電話の内容を日報に書いている場合などは、毎回「電話があって、このように対応した」と書くのではなく、「ChatGPT」の要約を貼り付ければ簡単にできますので、非常に業務が効率化できるのではないかと思います。

このように「カイクラ」はコミュニケーションの履歴をずっと溜めていますので、「カイクラ」さえ見ればすべてわかるというものになります。

使いやすいカイクラ

使いやすい「カイクラ」ということで、ユーザーインターフェイスに非常にこだわっています。デザインにもこだわって使いやすいように作っていることに加え、多くのシステムと連携しています。

「kintone」「Sansan」「Salesforce」など、さまざまな基幹システムやCRMと連携しており、「カイクラ」を利用する際にデータを入力していただく必要はありません。「カイクラ」は、今使っているCRMなどからデータを引っ張ってくるため、導入したらすぐに使うことができます。

導入しやすい料金体系

導入しやすい料金体系ということで、「カイクラ」は非常にユニークな料金体系です。通常のSaaSのサービスでは、1ID・1ユーザーが多いと思います。つまり、10人で使ったら10IDが必要です。

「カイクラ」は1ID=1拠点で、拠点単位のライセンスになっています。つまり、1拠点であれば10人で使っても100人で使っても料金は変わりません。

なぜこのような料金体系かと言いますと、企業や店舗などでは、顧客とのコミュニケーションは従業員がそれぞれ行っていますし、代表電話などは誰が取るかわかりません。そのため、全員で使って初めてコミュニケーションの統合ができ、全員で使うからこそすべてのコミュニケーションがきれいに整理できて、効果を発揮できます。

必要最小限の人数で使うのではなく、全員で使ってほしいという思いがあり、拠点単位にしました。「1人で使っても全員で使っても料金は同じですので、全員で使いましょう」という思いでお伝えしています。

それ以外に従量課金があります。ショートメッセージやビデオ通話などは従量課金で、使えば使うほどご利用料金をいただいています。

導入しやすい料金体系

携帯通録については、携帯電話ごとに契約していただいています。例えば、「営業部門だけの携帯をしっかりと録音していこう」「新人だけ教育で使うために録音していこう」など、必要な人だけ録音することができ、その分だけ料金をいただくモデルです。

導入実績

導入実績です。スライドの円グラフをご覧のとおり、「カイクラ」は非常に幅広い業種・業界で使っていただいています。

100を超える業種・業界で使われていますが、実は偏りがあります。2023年12月末時点では自動車関連業界が一番多く、32パーセントを占めています。その次に医療・介護業界、不動産業界と続きます。「カイクラ」ユーザーの90パーセント以上がBtoCのビジネスに取り組んでいる会社です。

導入実績

「カイクラ」は全国でご利用いただいています。

カイクラの見据えるTAM、SAM、SOM

TAM、SAM、SOMについてです。

SOMは、我々が今注力している自動車関連業界や不動産業界などの事業所数に対し、ARPAである拠点単価1万7,324円を掛けたものです。

SAMは、「カイクラ」のニーズがあり、まだ我々が注力すると定めていない業界も含めた事業所数に、ARPAを掛けたものです。

TAMは、ビジネスを行っている中で、顧客とのコミュニケーションは発生しているが、コミュニケーションの痛みを解決するためにソフトウェアにお金を払うかわからない業界があります。ただし、コミュニケーションが発生している以上、「カイクラ」を使うと絶対に成果が出ますので、そこに対して導入することまで考えた市場規模です。TAMは1兆6,000億円となっています。

カイクラの未来

「カイクラ」の未来です。今、「カイクラ」はさまざまなコミュニケーションの履歴をどんどん溜めており、まさにコミュニケーションプラットフォーマーとしてビジネスを提供しています。

たくさんのコミュニケーション履歴が溜まっていますので、今後はこのビッグデータを活用するサービスを考えています。ビッグデータの活用により、レコメンド機能の追加やマーケティングデータとして提供することができます。

例えば、ある「カイクラ」ユーザーのこれまでのコミュニケーション履歴を分析することによって、「今、この人には電話がつながりやすい時間ですよ」「メールを送るよりは『LINE』を送ったほうが反応が良いですよ」など、「カイクラ」がこれまでの履歴から反応の良いものを判断します。さらに、反応の良いコミュニケーションチャネルへ自動的に切り替えるといった機能も考えています。

複数のユーザー獲得チャネル

ユーザーの獲得チャネルは、大きく分けて3つあります。直販、代理店経由、OEMです。

OEMは、スモールビジネス事業者が対象です。飲食店、美容院、リフォーム会社などで「カイクラ」のニーズが非常にありますが、「カイクラ」の単価が合わないこともあります。そのため、「カイクラ」の機能を絞り、価格も抑えて、OEMブランドとして提供し、販売していただいています。

カイクラ導入事例(自動車ディーラー)

導入事例については資料に掲載しておりますので、それをご覧いただければと思います。

(背景)ビジネスにおいて、まだまだ電話(アナログコミュニケーション)が重要な理由

ここからは、競争力の源泉についてお話しします。我々はコミュニケーションをオールインワンで提供していますが、その中で電話を大事なコミュニケーションツールの1つとして捉えています。その背景についてお話しします。

我々がターゲットにしている地域密着型の中小企業は、地元でコミュニティを形成されています。コミュニティを形成する上で重要なのが、まさに人と人とのつながり、いわゆる絆です。その絆作りにおいて大事なのが、やはりコミュニケーションです。

電話で注文を受け付けた時に、注文の電話だけで終えるのではなく、雑談をされる方も多くいます。この雑談が絶妙な人間関係を作っていまして、雑談をするから人間関係が良くなり、人間関係が良くなるから良質なコミュニティが出来上がります。

地元密着・地域密着でビジネスを行っている方は、その結果としていろいろな良い関係が出来上がり、地域を活性化させるようなビジネスをコミュニケーションを通じて行っています。そのためにも、やはり電話が大事になります。

(背景)ビジネスにおける電話トラブルの実態

このようにビジネスにおいて電話は大事ですが、一方でトラブルも発生しています。電話トラブルの実態として、「言った」「言わない」などで揉めたことがある方が約6割で、それに対して対策しているかというと、約5割が対策していません。

現場では、コミュニケーションを取る上で電話が非常に大事だと多くの方が考えている一方で、何かトラブルへの対策を打っているわけではないのが現状です。

商品力:カイクラが現場で選ばれる3つの理由

「カイクラ」はそのような課題の解決に取り組んでいます。「カイクラ」が現場で選ばれる3つの理由のうち1つ目は、電話を取り込んでいるということです。電話をデジタル化することで、トラブルをなくすということを行っています。

やはりアナログな固定電話では「言った」「言わない」といったトラブルが一番起こりやすいため、これをデジタル化するためにクラウドPBXを入れるという方法があります。

ただし、この方法は、電話番号が050に変わってしまうため、我々が主にターゲットとしているBtoCビジネスの会社では大変嫌がります。理由はシンプルで、常連のお客さまなどに「電話番号が変わりました」「電話帳に登録されている電話番号を変えてください」といったことが簡単に言えないためで、電話番号の変更は何かと嫌がられます。

「カイクラ」は、電話番号を変えることなく、固定電話のデジタル化を可能としており、これが選ばれている理由です。固定電話だけではなく、携帯電話も3大キャリアのNTTドコモ、ソフトバンク、auと我々は連携しているため、携帯電話の履歴を取ったり、音声を録音したりできます。

商品力:カイクラが現場で選ばれる3つの理由

2つ目の理由は、オールインワンパッケージとして提供しながら、そのコミュニケーションをその都度入力するのではなく、自動で記録・整理して一元管理しているところです。

商品力:カイクラが現場で選ばれる3つの理由

3つ目の理由は、我々が複数のコミュニケーションチャネルを連携しているため、コミュニケーションチャネルを跨ったやり取りが非常にスムーズにできるところです。例えば次のようなことができます。

車のディーラー店舗へ「すみません、ちょっと車ぶつけちゃいまして」のような電話がかかってくるとします。すると、店舗からは「そうですか、大丈夫ですか? どれほど車がへこんでいるかなど見たいので、ビデオ通話に切り替えましょう」「今から携帯電話へショートメッセージでビデオ通話のURLを送るので、届いたらそれをクリックしてビデオ通話を開始しましょう」と案内することができます。

このように、固定電話にかかってきた電話から、スムーズにビデオ通話へ切り替えることができます。ちなみに、このように固定電話をしながらショートメッセージを送るということについて、当社は特許を取得しています。

開発力:マーケットインとプロダクトアウトの両輪による成⻑モデル

続いて弊社の商品開発についてご説明します。我々は、マーケットインとプロダクトアウトの両輪による成長モデルを取っております。プロダクトアウトの観点からは、AIのような新しい技術を積極的に取り込んでいます。

また、マーケットインの観点からは、我々のカスタマーサクセス部門が、お客さまにアウトバウンドコールをして「何かお困りごとありませんか?」「何かご要望ありませんか?」とご要望をどんどん吸い上げ、それを「カイクラ」の開発に活かしています。

我々は創業以来、毎月「カイクラ」のバージョンアップを行っていて、毎月必ず何かの機能を追加しております。

ターゲット力:ユニークなポジショニング

ターゲット力についてご説明します。我々は非常にユニークなポジションにいます。スライドの図は、縦軸ではシステム開発形態をクラウド/オンプレミスで区分し、横軸ではコミュニケーションを単一/複数で分けています。

クラウド型で電話を持っていくのはクラウドPBXですが、我々は電話番号を変えずに固定電話をクラウドに持っていっております。また、コールセンターで対応していたようなシステムなどを、我々はコールセンターではなく、あくまでBtoCのビジネスをしている店舗や企業へターゲットを変えました。

そのようにして複数のコミュニケーションチャネルを取り込んだ、大変ユニークなポジションにいます。このようなところが非常に好評を得て、中小企業や店舗にコミュニケーションをDX化するサービスとして、導入がどんどん広がっています。

3つの参入障壁

3つの参入障壁についてご説明します。我々のように、電話番号を変えずに固定電話を取り込むことを実現するためには、ハードのアダプターが必要です。このハードを開発しなくてはなりませんし、そのためにはさまざまなスキルが必要ですので、このような開発を行うことが、まず1つ目の障壁になります。

続いて、ハードを開発できても今度はそれを設置しないといけません。つまり工事が必要になります。全国のあらゆるところにユーザーさまがいるとすると、全国規模の工事をするための工事網を作らないといけません。そのような工事網の作成や、工事会社さまとのやり取り、そのような工事に長けたスキルを持つメンバーの採用と組織作りは相当大変です。そのような大変な過程があることが参入障壁の2つ目になります。

3つ目は、やはり「そのようなことをやるのは面倒くさい」という心理的な障壁です。ITのベンチャーでしたらソフトウェア開発だけしているほうが、やはり楽しいと思います。「ハードウェア関連の開発をしないといけない」「ハードウェア関連の工事をしないといけない」といったことは、やはり面倒くさいということで、なかなか参入されません。

ただし、我々はそのような面倒くさいところにこそビジネスの勝機があると考えていますので、このようなことに徹底的に取り組んでいるということが、我々の1つの強みにもなっているのではないかと思います。

ユーザー対応力:カイクラユーザーに寄り添ったカスタマーサクセス

ユーザー対応力ということで、我々はカスタマーサクセスの専門チームがいて、十分に顧客に寄り添った対応をしています。

成⻑戦略の進捗を示す重要な経営指標

業績ハイライトについてご説明します。我々は重要な経営指標として4つのKPIを定めています。スライドに記載のとおり、業績拡大を示す2つの指標(アクティブユーザー拠点数とARPA)と、ビジネスと財務の安定性を示す2つの指標(解約率とMRR)です。

業績ハイライト 拠点数と解約率

まず、アクティブユーザー拠点数と解約率についてご説明します。アクティブユーザーの拠点数はずっと右肩上がりで上がってきています。それにもかかわらず、解約率は非常に低い数値で推移しています。そのため、ストックがどんどん溜まってきていることがわかります。

業績ハイライト 収益構造

続いて、収益構造についてご説明します。売上はグラフのように右肩上がりで上がってきていますが、グラフの赤色の折れ線グラフで示しているストック売上はご覧のとおり、売上総額の伸び以上に伸長しています。その理由としては、先ほどご説明したように、拠点数が増えていっても解約率が低いため、ストック売上の比率が上がっているというものです。

ちなみに、2023年度は売上高10億円に対して、MRRの年度合計は8億8,600万円ですので、ストック収益率が85パーセントを超えており、非常に安定しています。

業績ハイライト 売上高と営業費用の変化

売上高と営業費用の変化についてご説明します。売上が上がってきているのに対して、営業費用はある程度抑えることができています。このようなところから、非常に筋肉質な収益体質になってきているのではないかということが、読み取れます。

業績ハイライト ARPA

ARPA(拠点単価)についてご説明します。ARPAも順調に右肩上がりに上がってきています。

これまで、3年に1度ほど定期的に値上げもしていますし、有償オプションも年に2件か3件ほどリリースしています。そのような有償オプションを提供することによって、新たな契約をいただき、単価が上がっております。

成⻑戦略

成長戦略についてお話しします。我々は2つの成長戦略があります。単価(ARPA)の向上と契約数(拠点数)の増加の2つです。

成⻑戦略

単価(ARPA)を上げる施策は3つあります。1つは有料オプションをどんどん追加することによって、さらにご契約いただくということです。さまざまなコミュニケーションチャネルを追加しており、追加するごとに有償オプションとして提供しているため、それをご契約いただくことで単価が上がります。

2つ目は従量課金の使用量増加です。ショートメッセージやビデオ通話などは従量課金制になっており、我々のほうで上手な活用方法やノウハウが溜まってきています。それをユーザーさまに還元することで、「このような使い方があるんだ」と考えていただき、さらに活用いただくことにより使用量が上がります。

3つ目はコミュニケーション分析機能です。「カイクラ」にはコミュニケーション履歴、会話履歴が膨大に溜まってきています。これを分析して、レコメンド機能などを有償で出そうと思っています。これにより、単価を上げていこうと考えています。

成⻑戦略

次に契約数(拠点数)の増加施策についてです。我々は企業規模によってユーザーさまを大きく3つに分けています。大企業向け、中規模企業向け、いわゆるスモールビジネス向けの小規模企業向けというものです。

成⻑戦略

大企業向けはNTTグループさまとの協業を行っています。NTT東日本さまやNTTコミュニケーションズさまのサービスと、「カイクラ」をセット販売いただくことで、契約数を広げています。我々の組織の中にはNTTチームという、NTTさまとのビジネス協業に専門で特化したチームがおり、NTTさまとの販売をどんどんと拡販しようとしています。

成⻑戦略

中規模企業は、我々にとって直販のメインターゲットです。その中で注力している業界は自動車業界で、現在は自動車業界向けの専門チームを作って販売しています。

国内の正規カーディーラーさまにおける「カイクラ」の店舗シェアは、国産車と輸入車を合わせて、10パーセント弱まできています。非常に売れていますが、まだまだ市場は広がっていますので、引き続きここを強化していくことが戦略の1つ目です。

自動車業界で「カイクラ」の販売成功パターンがモデル化できたため、今度は横展開を考えています。自動車業界と同じようなコミュニケーションの課題や痛みを持っていて、「カイクラ」を活用することで非常に効果が出るだろうという業界がありますので、そのような業界に横展開していこうと思っています。

その業界とは、まず2024年は不動産です。自動車専門チームに加えて、新たに2024年から不動産専門チームを作りました。不動産専門チームが自動車と同じようなビジネスモデル、販売モデルでどんどん広げていこうと考えています。

同様の痛みを抱えている業界には横展開できると考えていますので、2025年以降は同じように医療・金融・自治体などに専門チームを作って販売していこうと考えています。

成⻑戦略

最後にスモールビジネスについてご説明します。スモールビジネスでは、我々はOEMで提供しています。現時点で成功しているのは歯医者業界です。

歯医者さま向けに予約システムやレセコンなどを提供している会社さまへ「カイクラ」のエンジンを提供しており、オプションで販売いただいています。すでに現状950医院以上に導入されており、OEMの成功モデル、パターンができたと考えています。

今後は同じように、美容業界やマッサージ業界などにOEMを提供することによって、スモールビジネスにおける「カイクラ」のシェアをどんどん高めていきたいと考えています。

事業上のリスクと対応策

我々が想定しているリスクについては、こちらのスライドに記載しています。以上でご説明を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。

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