5月24日の東京証券取引所で、王将フードサービスの株価が一時前日比640円高の8,940円まで上昇し、4か月ぶりに上場来高値を更新した。同社は2023年の5月と11月の2回価格改定を行っているのだが、単月としての過去最高売上を2023年5月・7月・8月・12月、2024年1月・3月に更新している。要するに値上げによるネガティブインパクトを吸収して売上を伸ばしているのだ。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)
※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2024年5月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。
王将フードサービス、上場来高値を更新
5月24日の東京証券取引所で、王将フードサービスの株価が一時前日比640円高の8,940円まで上昇し、4か月振りに上場来高値を更新した。
また5月23日には、10月1日を効力発生日として1株を3株に分割するという発表を行ったことで、個人投資家の資金が流入するとの思惑によって買いが入ったようだ。
この株式分割によって、以下の通り株主優待が事実上手厚くなるということも好感されたようだ。
<分割前>
100株以上 株主優待券2,000円分(年間4,000円分)
200株以上 株主優待券3,000円分(年間6,000円分)
500株以上 株主優待券6,000円分(年間12,000円分)
1,000株以上 株主優待券12,000円分(年間24,000円分)
100株以上(3月末のみ)「株主様ご優待カード」1枚を贈呈
<分割後>
100株以上 株主優待券2,000円分(年間4,000円分)
200株以上 株主優待券3,000円分(年間6,000円分)
500株以上 株主優待券4,000円分(年間8,000円分)
1,000株以上 株主優待券6,500円分(年間13,000円分)
2,000株以上 株主優待券12,500円分(年間25,000円分)
2,000株以上 株主優待券17,500円分(年間35,000円分)
100株以上(3月末のみ)「株主様ご優待カード」1枚を贈呈
株式分割で理論上は株価が3分の1になるので、この株主優待は株主にとってかなり条件が良くなると言えるだろう。
王将フードサービスの決算状況
王将フードサービスは5月15日に、2024年3月期の決算発表を行った。決算数値は以下のとおりである。
売上高:101,4014百万円(前年同期比9.0%増)
経常利益:10,496百万円(前年同期比14.8%増)
親会社に株主に帰属する当期純利益:7,911百万円(前年同期比27.3%増)
コロナ禍からの回復で店内飲食が大きく伸び、テイクアウト&デリバリ─も引き続き好調であったことで、売上高は創業以来初めて1,000億円を突破した。
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