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セルフレジを悪用し米を盗んだ男が逮捕。“スキャン漏れ”も含め深刻化するセルフレジ万引き被害。海外では有人レジに戻す動きも顕著

北海道帯広市のスーパーで、セルフレジを悪用し米などを盗んだ40歳の男が逮捕されたと報じられている。

報道によると、男は盗んだ商品を買い物かごに入れセルフレジへと進んだものの、少額の商品数点のみをスキャンし、米など7点の商品については支払いをせずにそのまま店を退出。販売価格にして合計4573円分を盗んだとのこと。

店側が棚卸をした際に、商品の数が合わなかったことから、防犯カメラの映像を確認したところ、この男の窃盗行為が露見したとのこと。男は取り調べに対し「間違いありません」「節約したかった」などと話し、容疑を認めているという。

スーパー運営企業の約8割がセルフレジを導入

このところ大手のスーパーなどでは、ほとんどが導入しているといった印象もあるセルフレジ。実際、スーパーマーケットを運営する企業を対象にした調査によれば、約8割の企業が導入している……といったデータもあるようである。

そんなセルフレジだが、目下さらなる進化を遂げている最中だということで、例えば専用のアプリをダウンロードしたスマホや専用端末機器を買い物カートにセットし、商品をカゴに入れるごとにバーコードを読み取る、といったスタイルを導入しているところも。

これなら会計をすぐ終わらせることができ、レジ待ちの時間がほとんど発生しないというメリットが客側にあるのだが、また店側としても、このスタイルの導入で客1人当たりの平均購入額が約1.3倍アップするという、思わぬ効果も現れたのだという。

このように客側にも店側にとってもメリットあるものとされるセルフレジなのだが、その反面で高齢者などを中心に、どうしても一連の操作にまごついてしまう、いつまで経っても慣れないといったことで、セルフレジを敬遠あるいは忌避する層が一定数存在するのも確か。

つい最近だが、セルフレジで前の客が置き忘れた財布を、次の客が横領するという事件があったのだが、財布を置き忘れたのは80歳近くの男性買い物客だったといい、慣れない操作にテンパってしまってレジの上に自分の財布を置き忘れてしまった…といったことも大いに考えられるところである。

さらに、今回の件のように意図的ではないものの、慣れないセルフレジ操作ゆえに一部の商品あるいはレジ袋などをうっかりスキャン漏れしてしまい、そのまま気づかず持ち帰ってしまったということも、よくある話。

セルフレジでのトラブルに関してアンケートを取ったとある調査によれば、トラブル経験者のうち11.1%がヤラかしたことがあるという、この手の事案だが、形的には窃盗と同様の行為であるということで、下手をすれば犯罪者同様の扱い・対応をされるリスクも大いに孕んでいると言えそうなのだ。

一度導入したセルフレジを完全廃止するスーパーも

いっぽうで、海外におけるセルフレジ事情はどうかというと、イギリスのスーパー「Booths」はセルフレジを完全廃止したほか、「ウォルマート」も一部店舗でセルフレジを廃止、またセルフレジの利用に購入アイテム数の制限を設ける小売店も出てくるなど、セルフレジの縮小・廃止を決断する小売チェーンが増えている模様

【関連】イギリスで撤廃が進む「セルフレジ」なぜ有人レジに回帰?逆行する日本に必要な視点とは=Miho

その理由としては、やはり万引きしようとする人間が増えるという点が、大きなひとつの理由のようなのだが、さらに先述のような意図的ではない窃盗行為も増えることも問題とされているとのこと。

そのうえセルフレジ導入で人件費が抑えられると思いきや、セルフレジでのトラブル対応に時間がとられ、かえって人件費がアップするといったケースも指摘されているようなのだ。

ちなみに日本国内でも以前、とあるスーパーで「従業員の人員不足によりしばらくの間セルフレジは封鎖致します。」との張り紙が掲げられていたことが、SNS上で大きな話題になったことが。意図しないものも含めた窃盗被害の増加にくわえ、期待されていた人件費圧縮にも繋がらないとなれば、日本でも海外同様に“有人レジに戻される”といった動きが出ても不思議ではないといったところだ。

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