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大阪市内のストリップ劇場、万博を前に摘発。近年では“葬儀ストリップ”文化も存在する中国などからインバウンドが多数来訪で観光地化

大阪市北区にあるストリップ劇場「天満東洋ショー劇場」が摘発され、経営者の男と従業員やダンサーの男女計10人が公然わいせつ容疑で逮捕されたと報じられている。

報道によれば19日午後8時ごろから10時ごろ、劇場の観客約60人の前でダンサーに下半身を露出させて、劇場側が用意したデジタルカメラで撮影させるなどしたというもの。下半身をライトで長時間照らす演出も行われていたという。

大阪府警のストリップ劇場の摘発は12年ぶりということで、「出演者がショーで下半身を露出している」と情報提供があり、署が調べていた。

警察側の“やってます感”がための摘発との見方も

日本においては終戦後に登場し始め、最盛期の1970年代には全国の繁華街、あるいは温泉街などに300~400軒ほども存在したとも言われているストリップ劇場。

しかし性風俗店の多様化にくわえ、1980年代の風営法大幅改正に伴う警察による取締り強化などが原因で、その数をどんどんと減らしていくことに。現在、日本全国にあるストリップ劇場の数は20軒を割り込むまでになっており、まさに“風前の灯”といったところのよう。

ちなみに今回摘発を受けた東洋ショー劇場は、自らのウェブサイトで“西日本最大級”と謳っているが、大阪市内にあるストリップ劇場は今やここだけで、関西以西でも5軒ほどしか残っていないといった寂しい状況のようだ。

このように性的娯楽のジャンルとしては消滅寸前で、大衆からはほぼ忘れ去られている存在と言っても過言ではないストリップ劇場なのだが、その割には警察からは大いに目を付けられているといった印象。近年では東京オリンピックの開催を目前に控えていた21年4月に、東京・上野にあるストリップ劇場「シアター上野」が摘発を受け、経営者やダンサーら男女6人が公然わいせつ容疑で現行犯逮捕されている。

東洋ショー劇場がある大阪も、来年には大阪・関西万博という国際的ビッグイベントが控えており、今回の摘発もそれに向けての“浄化作戦”の一環だという見方が専ら。だがSNS上からは、警察側の“やってます感”創出のための摘発だとの声、さらには見たくない人に見せつけるわけではないストリップが果たして公然わいせつに当たるのか……といった見方など、否定的な意見が目立つ状況だ。

中国人観光客に人気のストリップ劇場

いっぽうで、今回の“ストリップ劇場摘発”報道で取沙汰されていたのが、近年は外国人観光客の増加で劇場が観光地化することを懸念していた、との警察の見解。

様々なトラブル回避のため“外国人お断り”とする性風俗店が日本国内では多いなか、国籍不問で入場可能なストリップ劇場は一部のインバウンドから人気で、訪れる者も多かったということなのだが、その多くが中国人観光客の模様で、今回摘発を受けた東洋ショー劇場もそういった客層が殊に増えていたようだ。

そんな中国人観光客からの“謎のストリップ人気”なのだが、実際中国国内では農村部を中心に、なんと葬式にストリップを呼ぶという驚きの習慣が広く存在しているとのこと。

なんでも現地では、葬儀への参列者が多いほど死者があの世で幸福になれるといった迷信があるといい、そのための“客寄せ”のためにストリップを呼ぶことが定番化。そのことがむしろ「故人への最大の孝行」だと、世間からは捉えられているという。

もっとも政府当局は、この風習の存在を苦々しく感じているようで、2015年には中国文化省が葬儀のパフォーマンスでストリップショーを行うことを禁ずる声明を発表。因習撲滅に躍起ということなのだが、それだけ中国にはストリップにご執心といった層が多いということで、日本来訪の目的のひとつとする向きも少なくないようなのだ。

それゆえ、インバウンドのさらなる誘致という観点からも、むしろストリップ劇場は残したほうがいいのではといった意見もチラホラ。とにかく、このまま放っておけば絶滅は時間の問題といったストリップ劇場を、大衆文化の保護といった観点からも、これ以上締め付けるようなことをしないで……といった声はかなり多いといったところのようだ。

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