12月本決算企業の権利付き最終売買日を約1カ月後に控え、そろそろ権利取りの動きが見られ始めるものと見られる。今期大幅増配予想で高い配当利回りが期待できる企業のうち、今期の業績が急回復する見通しの企業や過去最高益を更新する見通しの企業をピックアップし、以下にそのいくつかを挙げておく。(『 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』田嶋智太郎)
※本記事は有料メルマガ『田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット』2024年11月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:田嶋智太郎(たじま ともたろう)
慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後の一時期は大学教諭として「経営学概論」「生活情報論」を担当。過去30年余り、主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、地域金融機関改革、引いては個人の資産形成、資産運用まで幅広い範囲を分析研究。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等において、累計3,000回超の講師を務めてきた。これまでに数々のテレビ番組へのレギュラー出演を経て、現在はマーケット・経済専門チャンネル『日経CNBC』のレギュラー・コメンテーターを務める。主な著書に『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)などがある。
スペース<9622> 配当利回り=4.57%(11月21日現在)
各種施設(商業施設や総合スーパー)や店舗などの空間プロデュースを展開。内装・外装工事を中心に企画、設計、内装監理などを一貫して手掛ける。足元は、主にオフィス関連、エンターテインメント施設などの大型案件が増加し、活況な受注環境のなかで順調に売り上げを伸ばしている。
11月8日に通期業績予想と配当予想を上方修正。24年12月期は売上高が前期比16.3%増の614億円、営業利益は同34.8%増の34.7億円、純利益は同38.3%増の23.3億円と過去最高益を更新する見通し。
年間配当は50円(前期は40円)を見込んでおり、利回りは4.6%前後と魅力の水準。足元のPBRは0.8内台に留まっており、株価には割安感が漂う。
KHネオケム<4189> 配当利回り=4.39%(11月21日現在)
「オキソ技術」と呼ばれる製造方法を中核技術として、エアコンや冷蔵庫で使用する冷凍機油(れいとうきゆ・空調機器において冷媒 を圧縮するためのコンプレッサーの潤滑油)原料や化粧品原料、可塑剤原料など特色ある製品を提供する化学メーカー。
足元は、主力の冷凍機油原料が大型定期修理の明けた下期に伸びており、先端半導体向けの電材も拡大傾向を辿っている。25年12月期は大型定期修理がなく、増強設備が通期で貢献する見通し。
24年12月期は売上高が前期比5.1%増の1,211億円、営業利益は同18.6%増の118億円、純利益は同23.1%増の84億円を見込んでいる。株価は2,000円前後で底練りの状態。予想PER=9倍弱で配当利回りの高さから考えても一段の下値リスクは低いと思われる。
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