スポーツ・エンターテインメント
アシックス、ミズノといったスポーツ関連も伸びていました。
ミズノに関しては業績が伸びていないのでアシックスに引っ張られて伸びただけのように見えますが、アシックスは面白いかと思います。
世界のスポーツ市場が拡大していて、いわゆる“長期潮流”の中にあるわけです。
人々が豊かになると、スポーツやエンターテインメントの市場が拡大していきます。
特に近年はコロナ禍が明け、これらが盛り上がりやすい環境にありました。
アシックスは一時期ナイキに大きく負けていました。
ナイキが厚底シューズを発売し、速く走れるということで箱根駅伝でも選手のほとんどがナイキの厚底シューズを使うほど一世を風靡しました。
アシックスは辛酸をなめる形になりましたが、この厚底シューズが市場の拡大に寄与したことも確かです。
アシックスも再起をかけて、厚底シューズの開発を行い、シェアを挽回してきました。
また、アスリート向けのものだけでなくカジュアル寄りのシューズやアパレルにも力を入れるようになりました。
アシックスのファッションブランドであるオニツカタイガーも強化して、インバウンドの客にウケたりもしています。
この辺りの売上を大きく伸ばして、株価も伸びたという形でした。
スポーツ市場の拡大と、元々のアシックスブランド、そして技術力が活かされたというところです。
伸びる条件とは
ここまで見てきて、改めてどのような銘柄が伸びたかというと、(短期的な観点になりますが)やはりテーマに乗っているということが重要だと思います。
ただ、そのテーマが良いものかどうかを判断することが大事となりますし、さらに言うとそれが短い期間で終わってしまってはいけません。
瞬間的なブームだと、一瞬上がってすぐに下がるという動きになってしまいます。
長期的なものであれば、一度上がってそこから落ちないということになりやすいです。
いわゆる“長期潮流”に乗るべきということになります。
投資家が買う条件をまとめますと、まずは足元の業績が伸びていること、そしてその業績が長期的に拡大することが期待できることです。
そしてその期待に数字などの裏付けがあるということです。
これらの条件がそろっている銘柄を探すと良いと思います。
もう一つ重要な点としては、伸びる市場の中にいても、そこで実力を持っていなければなりません。
電線御三家の中で住友電工だけが伸びなかったように、自社で持っているものを波に乗せることができなければ株価や業績を伸ばすことはできません。
逆にアシックスは自社の技術やブランド力を市場拡大の波に乗せられたことで大きく伸ばすことができました。
株価が伸びる条件としては、まずは長期的な市場の拡大が見込めること、そしてそこに自社資源を活用できること、この2つが合致すれば株価の成長が期待できます。
市場の拡大(テーマ性)と自社資源のどちらか片方だけを見ている人が多いように感じます。