これまでのROEを見ても、かなり波があります。

いい企業というのは、ROEが常に10%超えを維持できるような会社をいいます。
そのため、長期投資の観点から見た場合必ずしも成績優秀と言える会社ではありません。
なので三菱重工が、これからどう高収益の企業に変わっていくのかが重要となってきます。
そこで、三菱重工が今後投資対象になりえるのかを見極めるときに見るべき点をここでは紹介します。
<期末決算と来期予想>
今回の第3四半期決算を受けても株価は無風でしたが、今後株価が動くとしたら期末決算と来期の業績予想の数値がカギとなります。
好業績かつ将来の見通しが明るいなら、株価上昇も期待できるでしょう。
実際、世の中のデータセンター建設や発電所建設の流れが停滞している感じをあまり受けていないので短中期的に見て上振れもあると考えています。
<株主還元の強化があるか>
今後株主還元として配当が上がったり、自社株買いがあったりすると株価上昇が期待できるでしょう。
現在の配当性向は、30%程度で高くありません。
やはり株主還元が株価上昇に繋がりやすいので、投資家への還元があれば好材料となり得ます。
また、さらに構造改革が進んで根本から経営体質を変えられればもっと多くの利益を生み出せるようになる可能性も秘めた銘柄だといえます。
<社長交代>
2025年4月1日付で、泉澤社長から伊藤社長に社長がバトンタッチされます。
泉澤社長のときは構造改革を進めていましたが、次の伊藤社長はどのような動きを取るのかが注目するポイントです。
技術畑出身ということで、新規の技術開発などでは大きな力を発揮すると思われますが経営に関してはまだ未知数です。
社長がこれからどういった経営をしていくのか今後注目しておきましょう。
決算説明会で社長が話をしている動画を会社HPから確認できるので、チェックしておくのも重要です。
まとめ
今回の第3四半期決算で三菱重工は好調な様子を伺えましたが、すでに織り込み済みで株価は無風でした。
好調な理由は、エネルギー関連と防衛関連が強い追い風を受けていることによるものです。
長期投資家として今後の三菱重工をみるなら、今後世の中の移り変わりに柔軟に対応していけるのかを考えなければいけません。
そのためには、やはり経営力の見極めがかなり大事になってきます。
長期投資のコツはとてもシンプルで、いい企業を長く持ち続けると企業の成長に伴い資産はどんどん増えていきます。
いい企業の見極め方を身につけると、将来は明るいので勉強してみるのもおすすめです。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年2月11日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。