2025年2月22日、バフェット率いるバークシャーハサウェイのアニュアルレポートが公表されました。ウォーレンバフェットは日本の5大商社の株をすでに持っていますが、さらに買い増すことをアニュアルレポートで言及したとして報道されています。そこでつばめ投資顧問が、アニュアルレポートを隅々まで読むと「本当に今後買い増していくの?」という怪しい点がありました。この記事では、バークシャーハサウェイが今後も本当に日本の5大商社の株を買い増すのかについて、アニュアルレポートの中にある株主への手紙を読み解きながら解説していきます。また、バフェットからの手紙の中には、長期投資や人生に対する重要な示唆も含まれています。そのことも含めてぜひ皆さんに、バフェットの株主への手紙を味わっていただきたいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)
プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。
「バフェット、商社株の買い増しに意欲的」との報道
2025年2月23日、「米投資家バフェット氏 日本の大手商社5社の株式買い増しに意欲」との報道がありました。
出典元:NHK「米投資家バフェット氏 日本の大手商社5社の株式買い増しに意欲」
バークシャーハサウェイのアニュアルレポートの中で、個別具体的な企業に言及することは少ないです。
バフェットが保有しているアップルやコカコーラ、アメックスなどの大企業について触れることは時々あります。
ですが、バフェットのポートフォリオの中で大きな割合を占めているわけではない日本の商社について言及するのは珍しいです。
それほど、バフェットは日本の5大商社に入れ込んでいるのではないかと考えられます。
そこで「買い増しに意欲」と見出しにあることから、株主への手紙を読んでみると「本当に買い増す意欲があるのかな?」と疑問があったのでその点について解説していきます。
バフェットの「株主への手紙」とは?
ここでは、バフェットの株主への手紙とはなんのことなのかについて解説します。
また、バフェットの株主への手紙の入手方法も紹介します。
<バークシャー・ハサウェイ社のアニュアルレポートのこと>
「バフェットの株主へ手紙」とは、同氏が経営するバークシャー・ハサウェイ社のアニュアルレポートのことで、バフェットはここに自らの言葉で株主に向けたエッセイを記しています。
アニュアルレポートとは、上場企業が投資家や金融機関に対して情報公開するためのIRツールです。
「年次報告書」とも呼ばれています。
有価証券報告書と似ていますが少し違い、社長のメッセージなどを自由に加えられます。
<どうやったら読める?>
バークシャーハサウェイのアニュアルレポートの入手方法はGoogleの検索窓に「berkshire hathaway」と検索すればすぐにでてきます。
検索結果に「Annual & Interim Reports」と書かれた以下の画面がでてきます。
この赤枠をクリックすると、バフェットの株主への手紙であるバークシャーハサウェイ社のアニュアルレポートにたどり着くことが可能です。
バフェットの株主への手紙は英語で書かれていますが、Google翻訳やChatGPTを利用すれば翻訳できますのでぜひご覧になってください。
バフェットの株主への手紙2024を深掘りする
2024年の株主への手紙の内容は、以下のとおりです。
- 間違い ― 私たちはバークシャーでそれを犯してきた
- ピート・リーグル – 唯一無二の存在
- 昨年のパフォーマンス
- 驚きだ!重要なアメリカ記録が破られた!
- あなたのお金はどこに?
- 損害保険
- バークシャーは日本への投資を増やす
- オマハでの株主総会
ここでは、7章と5章について深掘りしていきます。
<7章.バークシャーは日本への投資を増やす>
7章の「バークシャーは日本への投資を増やす」では、日本について触れられています。
内容や発言の意図について、深掘りしていきます。