この現象については、タイの英字メディア「バンコクポスト」も2025年5月20日付で報道。記事の見出しは「地震を予言する漫画、日本から観光客遠ざける」となっている。7月に大地震が起きると記された漫画の一節が、東南アジアの旅行者の間で大きな影響を与えていると伝えた。
そして、その結果それなりの影響を与えている。在日中国大使館は、2025年4月に声明を発表し、在日中国人に潜在的な自然災害に対する警戒を怠らないよう警告した。中国政府の警告は、日本の海岸線周辺で最近発生した一連の地震と火山活動の活発化によって促されたと伝えられている。「サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙」によると、この勧告は、住民や観光客に「自然災害に対して十分な注意を払う」よう促したという。この声明は、たつきの予言にまつわる不安の高まりを間接的に認めたものだと解釈されている。
さらに、現実的な影響も目立つようになっている。香港でもSNSを中心に「2025年7月、日本で大地震が起きる」という噂が広がっている。発端はたつき諒の漫画を根拠にしたものであり、在香港の訪日旅行志向にも一部影響が出ているようだ。実際、航空便の減便やツアーキャンセルも発生しており、現地での反応が注目されている。
この噂を受けて、海外旅行がもっとも盛んになるシーズンで日本を訪れる観光客が減少している。香港のグレーターベイ航空は5月13日~10月25日の期間中には以下のように減便している。
・香港-仙台線:週4往復 → 週3往復に減便
・香港-徳島線:週3往復 → 週2往復に減便
また、先の在日中国大使館による「地震災害への注意喚起」の発表の効果もあって、中国本土からの団体旅行においてキャンセルが一部発生している。
予言として無視してよいのか?太陽の動き
この「日本のニュー・ババ・バンガ」の予言は7月に見向けて、これからも世界では広く拡散することは間違いないだろう。6月に入ると、外国人観光客の減少に対処するために、日本政府がなんらかの動きをする必要性も出てくるかもしれない。
このような状況だが、毎月のように地震や津波の予言がSNSを賑わしている日本では、ほとんどの人はこの種の予言に慣れっこになってしまい、地震や津波に対して改めて備えるといったような現実的な反応は見せていないように思う。むしろ、エンターテイメントとして半分楽しみながら消費しているという感じだ。
筆者もこの予言が現実になるとは思っていない。地震予言は当ったためしがないからだ。まさに3.11がそうであったように、大地震や大津波はサイキックも含め、誰もまったく予期していないときに、それこそいきなり起こるのがつねである。予言された時期に予言された災害が起こることは、ほとんどないように思う。
では、今回の予言は完全に無視してよいのかと言えばそうでもなさそうだ。それというのも太陽の活動が非常に活発になっており、これが大地震や大津波を引き起こす一種のトリガーにもなる可能性はあるからだ。







